2019 Fiscal Year Research-status Report
Genotype and phenotype analysis in arrhythmia induced or related cardiomyopathy
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18K08035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大谷 朋仁 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30623897)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心筋症 / 心筋可塑性 / 不整脈 / 頻脈 / 遺伝的素因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、頻脈性または頻発性不整脈による心筋への影響が心筋に関連した遺伝的素因により個人間で異なるとの仮説のもと、心筋症患者を対象に不整脈と心機能低下との関係を解析し、ゲノム解析情報および心臓超音波指標や光学および電子顕微鏡を用いた病理などの画像情報と統合して心筋可塑性因子を探索するものである。2年目の本年度は、頻脈または不整脈を有し左室駆出率の低下を認めた症例の臨床情報などの収集を継続した。初年度に検討した不整脈症例の中で約8割と最多であった心房細動症例における遺伝的素因を評価するため、頻脈性の心房細動を有していて頻脈が改善する治療をうけ、かつその後に左室駆出率が改善した25症例のゲノム解析をすすめ、比較対照として頻脈性心房細動を有さない特発性拡張型心筋症179例を用い、既知報告の心筋症関連遺伝子変異を中心に解析を進めた。頻脈性心房細動例である、心機能の低下に頻脈性心房細動の関連が考えられた症例では、心筋症関連遺伝子変異を特発性拡張型心筋症と同様な頻度で認め、さらにその中で個人あたりの変異数が異なる可能性が見出されたため、次年度も引き続き、症例数や検討項目を増やし継続評価を行うこととした。また、初年度に心筋可塑性との関連が認められたミトコンドリア機能評価となる99mTc-MIBI核医学検査における指標について、電子顕微鏡標本でのミトコンドリアの形態評価を行い、ゲノム情報との関係についての検討をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度に引き続き不整脈および頻脈の影響が疑われた症例の臨床情報の収集を行い、ゲノム解析をすすめて、既知の心筋症関連遺伝子変異を中心に検討を行った。画像情報を含めた臨床情報との関係性についての検討へと進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度取得した臨床情報およびゲノム解析データの検討をすすめ、既知の心筋症関連遺伝子変異の他にも遺伝的素因の検討を行い、心機能の低下、もしくは心筋可塑性に寄与する因子の同定に努める。引き続き、心機能低下や頻脈・不整脈に関連する臨床的・基礎的な情報収集も継続し、適宜、結果を取りまとめて成果の発表を順次行い、学術発表にも取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19のため予定していた学術集会での発表および情報収集が延期になったこと、および研究結果に応じたゲノム解析など一部の評価を次年度の研究計画へ変更したためであり、次年度に実施予定である。
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Research Products
(3 results)