2020 Fiscal Year Research-status Report
Catheter ablation for atrial fibrosis and inflammation in patients with persistent atrial fibrillation
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18K08036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木内 邦彦 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (50777612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福沢 公二 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (70535856)
大竹 寛雅 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60593803)
佐々木 直人 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00514746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心房細動 / カテーテルアブレーション / 心房線維化 / 心房炎症 / LGEMRI / PETMRI / 炎症性単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、炎症分布の視覚化について前向き介入研究を行い、治療により形成された強い心房炎症のPETMRIによる視覚化方法を樹立することができた。本研究成果は、原著論文として報告しております。(J Arrhythm. 2020 Nov 18;37(1):52-59. doi: 10.1002/joa3.12454. eCollection 2021 Feb.) さらに炎症性単球と心房リモデリングの程度を定量分析を行い、炎症性単球の上昇と心房リモデリングの進行が関連し、さらにはカテーテルアブレーション後の心房細動再発に関与していることを解明いたしました。(J Cardiovasc Electrophysiol. 2021 Apr;32(4):1035-1043. doi: 10.1111/jce.14929. Epub 2021 Feb 10.)また、心房細動中の興奮伝播様式と心房線維化領域について検討し、心房細動を維持する渦巻型旋回興奮はまだらな線維化領域に集簇することを同定し論文として報告しております。(J Cardiovasc Electrophysiol. 2021 Apr;32(4):1005-1013. doi: 10.1111/jce.14933. Epub 2021 Feb 18.) さらに、まだらな線維化領域をLGEMRIを用いて視覚化し、同部位への通電にて約半数の症例において心房細動が急性停止し洞調律に復帰することが確認されました。さらにそのような急性停止の得られた症例は慢性期の心房細動の再発はなく良好な臨床転帰が得られることを確認し、原著論文として報告しております。(J Cardiovasc Electrophysiol. 2021 Apr;32(4):1014-1023. doi: 10.1111/jce.14925. Epub 2021 Feb 10.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炎症性単球と心房線維化の関連や、心房線維化領域への個別化治療による臨床成績の改善を確認し論文として受理されている。さらに、心房細動中の電気生理学的興奮伝播を視覚化できるマッピングシステムが本研究室に導入されたこともあり、当初予定していなかった渦巻型興奮伝播と心房線維化領域の関連について新たな研究を開始することができ、すでに論文として受理されている。
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Strategy for Future Research Activity |
心房線維化領域の全てではなく、よりまだらな線維化領域が心房細動の維持する基質と重要であることが確認された。その一方で、約半数の症例においては同日を通電しても心房細動の停止に至らないことも新たな問題として確認された。これは、心房細動を維持する基質が心房線維化のみではないことを示している。本年導入された心房細動中の興奮伝播容器を視覚化できるマッピングシステムでも線維化のない部位にも心房細動を維持する渦巻型興奮伝播興奮が集簇することが確認できている。今後の研究は、そのような部位の特徴を多面的に検討しその特徴の同定を試みる。究極的にはすべての心房細動基質を術前に予測できるようなモデルを作成できるようさまざまなモダリティーを駆使し多面的に研究を深化させる。
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Causes of Carryover |
本年度に導入された新しいマッピングシステムにより心房細動を維持する渦巻型興奮伝播と心房組織性状をさらに詳しく評価することが可能となった。本年度では約半数の例では心房細動が停止する成果が得られた一方で、残りの半数は心房細動の停止が得られなかった。新しいマッピングシステムの導入により、心房細動の停止困難例の心房維持基質の解明を行っていく必要が生じた。そのうえで、次年度にはさらに研究を深化させて、前向き研究の立ち上げも視野に入れておりその費用に充てる必要が生じている。
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