2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of vascular aging and heart failure due to transcription and DNA damage response and therapeutic application
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18K08046
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 自治医科大学, 医学部, 学長 (60207975)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管老化 / 心不全 / 転写 / DNA損傷応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全の死亡率はいまだに高く、癌とともに克服すべき主要な疾患である。すでに多くの心肥大誘導因子が知られているが、心不全に至る適応破綻の機構は十分に解明されていない。我々はこれまでに心筋間質細胞の転写因子KLF5が負荷適応に重要であり、KLF5のアセチル化はin vitroで細胞増殖に関わることを示してきた。本研究では、KLF5のアセチル化とKLF5の相互作用因子であるDNA修復因子(ATM、H2AX等)、Wnt/βカテニン、SASP因子(細胞老化関連分泌現象)に着目し、個体レベルで心臓の適応と破綻における役割を明らかにする。KLF5の非アセチル化変異マウスとATM、H2AX欠損マウスの心臓に負荷を与え、いずれの細胞におけるKLF5のアセチル化と相互作用因子が、血管老化を介し心臓の負荷適応と破綻に関わるかを検討した。さらに、最近我々が開発したKLF5拮抗薬の心不全治療薬としての有効性を検証し、その機序を検討した。 本研究では、KLF5のアセチル化とDNA損傷応答因子(ATM、H2AX等)に着目し、種々の遺伝子改変マウスを用いて、心不全に至る適応破綻の機構を検討した。心肥大等の心筋リモデリングにおける増殖シグナル及びDNA修復の役割を解明し、心不全に至る適応破綻の機構を検討した。さらに心不全への病態変化を抑制する新たな治療標的の同定を目指す。具体的には、まず、KLF5のアセチル化変異マウスを用いて、心臓の適応と破綻におけるKLF5アセチル化の個体レベルでの意義を明らかにする。次いで、心筋リモデリングにおける細胞修復反応に関わるATM、H2AXを中心としたDNA損傷応答シグナルの関与があるか検討した。
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