2020 Fiscal Year Research-status Report
日本人におけるスタチン不耐のメカニズム解明と個別化動脈硬化治療の探索
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18K08051
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
梶波 康二 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40262563)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スタチン / 筋障害 / 遺伝子多型 / 副作用報告 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)スタチン不耐の遺伝素因解析 ・筋障害発症例および服薬中も障害を発症しない対照例の登録を継続し、解析用のDNAサンプルを調整した。その結果、年度末には発症例91例、対照例108例となった。イルミナ社製のプラットフォームを用い上記症例を対象にイルミナ社チップOmni2.5およびOmni2.5Exomeを用いて一次測定を行った(対照例の遺伝子解析は48例)。 ・筋障害発症全症例、筋障害の重症例、スタチン以外に筋障害発症要因の無い症例、の各群とも、第6染色体上にE-6程度のP値を示す遺伝子多型マーカー候補が見いだされた。現在インピュテーション法を始めとする更なる解析を進めている。
2)日本の実臨床におけるスタチン不耐の頻度ならびに臨床的背景の探索 ・PMDAへの副作用報告例を集積したデータベースであるJADERについて、横紋筋融解症の発症背景を解析し、報告の年齢ならびに性別分布、被疑薬の種類とその中でのスタチンの位置づけ、などを分析した。近日中に学会報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に解析プラットフォーム変更を余儀なくされたことで全体の進捗が半年程度遅れている。またCOVID-19流行により、解析データ検討の打ち合わせがスムースに進行しないことで研究進捗スピード遅延を来している。
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Strategy for Future Research Activity |
第6染色体上に見出した連鎖多型候補について、インピュテーション法を始め現在進めている更なる解析を完遂させるとともに、採血済の対照例の解析を進め知見の妥当性を検証する。
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Causes of Carryover |
研究進捗の遅れ(解析プラットフォーム変更とCOVID-19流行)により使用がずれ込んだため。研究実績の概要で記載したように、変更後の新プラットフォームを用いた一時解析結果が得られており、その更なる分析を進行中である。必要に応じて再度ならびに追加の多型解析を予定している。
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