2018 Fiscal Year Research-status Report
光遺伝学を用いた心室細動誘発におけるプルキンエ線維網‐心筋接合部の役割の解明
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18K08058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邉 昌也 北海道大学, 大学病院, 助教 (40632047)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 心室性不整脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスジェニックマウス系統の確立:①CAGプロモータとチャネルロドプシン2遺伝子の間にloxP-stop-loxP配列が挿入されたトランスジーンを有するマウス (The Jackson Laboratoryから購入) と、②プルキンエ線維特異的なコネキシン40 プロモータの制御下でCreを発現するマウスを交配し、プルキンエ線維にChR2を発現するマウスの系統確立を行った。①、②の系統のホモ動物同士を交配し、産仔の生育が可能であることを確認している。今後、産仔において、①、②の遺伝子がともにヘテロで発現していることを、遺伝子レベル、タンパクレベルで確認していく。さらに、機能的レベルでの確認のため、光刺激による心収縮を確認する。 不整脈誘発モデルとして、当初、低酸素、無グルコース環流条件での急性心筋虚血を予定していたが、より臨床背景に近い冠動脈結紮による慢性心筋虚血マウスを作製することとした。予備実験のため、小開胸下での冠動脈前下行枝の結紮による心筋梗塞マウスを作成し、50%以上の確率で4週後に前壁領域の収縮不全を来すことをエコーにて確認している。 心室性不整脈の停止効果を検討する実験では摘出還流心において、イソプレテレノールなどの薬物負荷や電極からの刺激により不整脈誘発を行う。その予備実験として、マウスにおける摘出心での逆行性還流を確認した。顕微鏡下下に、摘出心の大動脈にカニューレションを行い、逆行性還流を行った。心筋梗塞後の個体でも良好な還流による心拍動を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスジェニックマウスの繁殖に難渋したため、系統確立に時間を要している。 不整脈誘発に必要な薬物負荷において、至適投与方法、至適誘発プロトコールの確立に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの飼育環境、交配方法の変更を行う。 不整脈誘発に使用するイソプレテレノールの濃度や電気刺激方法について、変更を加えていく。
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