2020 Fiscal Year Annual Research Report
The establishment of comprehensive genetic analysis scheme for familial hypercholesterolemia
Project/Area Number |
18K08064
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70393238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 章洋 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30707542)
川尻 剛照 金沢大学, 医学系, 准教授 (90345637)
多田 隼人 金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家族性高コレステロール血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性高コレステロール血症の頻度は全世界的に一般人200~300人に1人と推測され、最多の先天性代謝異常症である。今回の研究の目的は1.わが国の家族性高コレステロール血症の遺伝子診断の精度と有効性の評価、2. 家族性高コレステロール血症遺伝子診断と冠動脈疾患リスクの関連を明確とすること、の2点とし、研究を遂行した。3年間で合計500例以上の網羅的遺伝子解析を行い、その表現型を調査することにより、類似疾患であるシトステロール血症が一定頻度認められること、さらにはABCG5ないしはABCG8遺伝子が、家族性高コレステロール血症の表現型に大きく影響を及ぼしていることを明らかとした。これらの知見は、本症の適切な診断を考えるだけでなく、個別化医療の観点からも重要であると思われる。また、日本動脈硬化学会が定める臨床診断基準の精度について、欧州で広く用いられるDutch Lipid Clinical Criteriaの診断基準と比較検討した。遺伝学的な家族性高コレステロール血症を診断するにあたり、欧州での診断基準と比較し、我が国の診断基準は、より簡便であるにも関わらず、その精度は遜色ないことが示された。これらの知見は、本症診断、特に我が国を含めたアジア地域における本症診断の推進に大きく寄与することが期待される。また、研究の過程で、家系調査により本症診断に至った場合に動脈硬化性疾患罹患に関する予後が極めて良好であることを見出し報告した。本知見は、遺伝病である本症を診断するのみならず、家系調査により血縁者のスクリーニングの重要性を示すものであり意義は大きい。
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