2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research to clarify the pathogenesis of hypertrophic cardiomyopathy and to develop novel drugs
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18K08065
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
前川 裕一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90296575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬藤 光利 浜松医科大学, 国際マスイメージングセンター, センター長 (20302664)
堀川 誠 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (50775997) [Withdrawn]
秋田 敬太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (70645762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 脂質代謝 / イメージング質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥大型心筋症は、多様な形態を呈し、臨床症状も多岐に及ぶ遺伝性疾患である。我々は、イメージング質量分析を用いて、肥大型心筋症の心筋脂質代謝と心不全の臨床的重症度との関連を検討した。肥大型心筋症症例16例について解析を行った。解析は脱離エレクトロスプレーイオン化イメージング質量解析を用いて行った。サンプルは、心筋生検の時期によって2つのコホートに割り当てられた(コホート1、n=9、コホート2、n=7)。各コホートでは、肥大型心筋症における心不全の臨床的重症度に応じて、サンプルを臨床的重症群と軽症群の2つに分けた。重症群の症例は軽症群に比べ、NYHAクラスが高く、原因不明の失神の既往が多く、HCM-SCDリスクカリキュレーターによる5年以内の心臓突然死のリスクが高く、心臓MRIにおける左室重量が重かった。2群間で信号強度に有意な差を示す脂質関連代謝物質につきvolcano plotで解析した。コホート1では、volcano plotにより4つのシグナルが同定され、臨床的に重症のグループの強度は軽症のグループの2倍以上であった。4つのシグナルのうち、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、コホート2において2群間で強度に有意差を示した(10575.8±2750.3 vs 19839.3±4803.2, P = 0.025 )。 DHAの強度は、臨床的重症群では、軽症群よりも有意に高値であった。本研究の結果から、DHAは、肥大型心筋症症例の心不全悪化の病態に重要な役割を担っている可能性がある事が示唆された。
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