2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of Tolvaptan via vasopressin V2 receptor-independent pathway on adrenal aldosterone synthesis.
Project/Area Number |
18K08066
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00223181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 薫 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (50422837)
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60378346)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心不全 / バソプレシンV2受容体拮抗薬 / アルドステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
V2受容体拮抗薬であるトルバプタンは、腎集合管でのV2受容体を阻害することで自由水の再吸収を抑制し、水利尿作用を発揮する。一方で、V2受容体拮抗薬をヒト副腎皮質由来の培養細胞であるH295R細胞に対し、AngII刺激下で増加したアルドステロン産生は、AVPおよびdDAVP投与により影響を受けなかったが、トルバプタン投与により用量依存性に低下した。この研究結果から、トルバプタンは、V2受容体非依存性に副腎におけるAngII誘発性アルドステロン産生を抑制することが示唆された。また、in vivo実験では、AngII持続投与下のSprague-Dawleyラットでトルバプタン投与により血圧上昇を有意に抑制すると共に、血中アルドステロン濃度上昇、副腎アルドステロン濃度上昇およびCYP11B2蛋白発現量増加をそれぞれ42.70±16.16%、60.45±24.32%および32.33±10.29%抑制した(p <0.05)。トルバプタン投与はアルドステロン合成酵素であるCYP11B2のmRNA発現量を抑制することなく蛋白発現量を抑制し、機序として小胞体ストレス応答メーカーであるDDIT3とeIF2αのリン酸化亢進の関与が示唆された。これらの結果を踏まえ、慢性心不全モデルにおけるトルバプタンのアルドステロン産生抑制効果の有無および機序の検討を、Lewisラットを用いた自己免疫性心筋炎モデルで検証すべく準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初2020年度に予定していた慢性心不全モデルにおけるトルバプタンのアルドステロン産生抑制効果の有無および機序の検討を、Lewisラットを用いた自己免疫性心筋炎モデルで検証すべく準備中であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性心不全モデルにおけるトルバプタンのアルドステロン産生抑制効果の有無および機序の検討を、Lewisラットを用いた自己免疫性心筋炎モデルで検証すべく準備中で、予定通りに進める。
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Causes of Carryover |
2018年度の研究が非常に円滑で、2019年度分まで実験が進んだ一方で、2019年度は研究状況がやや停滞したため、研究費を2020年度分に充てるように修正した。
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Research Products
(1 results)