2019 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of molecular pathophysiology and identification of therapeutic target in desmosome-related cardiomyopathy
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18K08069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
彦惣 俊吾 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30423164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 修一朗 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (00604034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心不全 / iPS細胞 / デスモゾーム |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究対象であるDSG2-R119X-homo変異を有する拡張型心筋症症例由来の心筋組織を詳細に解析し、光学顕微鏡、電子顕微鏡レベルでデスモゾームの構造異常が存在していることを見出した。また、本症例の両親は同変異をヘテロで有しているが心機能は全く正常であり、本変異はホモ接合体でのみ表現形を有することが判明した。 次に、同患者末梢血細胞からiPS細胞を作成し、さらにゲノム編集技術を用いてホモ変異の片方のアレルを野生型に修復しアイソジェニックiPS細胞を作成した。これらのiPS細胞を心筋細胞に分化させデスモゾーム関連分子の発現を検討したところ、患者由来iPS細胞由来心筋細胞(患者由来心筋細胞)ではアイソジェニックコントロールiPS細胞由来心筋細胞(コントロール心筋細胞)を比較して、DSG2と同じくデスモゾーマルカドヘリンに属するdesmocollin-2の発現が低下していることを見出した。一方で、democollin-2以外のデスモゾーム構成分子の発現は患者、アイソジェニックいずれの心筋細胞でも変化を認めなかった。また患者由来心筋細胞においては、患者心筋組織と同様にデスモゾーム構造が異常をきたしていたが、コントロール心筋細胞ではその異常は認められなかった。また、上記のiPS細胞由来心筋細胞を培養し組織化させたところ、患者由来心筋細胞ではコントロール心筋細胞と比較して大きく異なる組織形態をとることを見出した。さらに、本症例では致死的不整脈が出現していたことから、iPS細胞由来心筋細胞における活動電位を検討したところ、患者iPS細胞由来心筋細胞では異常興奮がアイソジェニックiPS細胞由来心筋細胞と比較すると非常に多く観察された。これらの患者由来心筋細胞の表現型は、患者の心臓における病像を反映しているものと考えられ、病態モデルとして有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者由来ipS細胞が順調に作成でき、表現型が得られ、解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた知見を踏まえ、更なる表現形の評価により病態モデルとしての有用性を明らかにする。また、得られた表現型のメカニズムについてもさらに詳細に検討を進めるとともに、レスキュー実験も実施する。
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Causes of Carryover |
2020年3月上旬に使用予定であったが、COVIDの影響により研究活動に困難が生じ、執行不可であった。COVIDの影響も収まりつつあるため、2020年度に執行予定である。
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Research Products
(1 results)