2019 Fiscal Year Research-status Report
左心不全に伴う肺高血圧、右心不全の発症・進展機序解明に基づく新たな治療戦略の確立
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18K08070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
世良 英子 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70794139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、左心不全症例の右心不全の発症、最重症化の要因となる肺高血圧症(第2群肺高血圧)の進展機序について、その起点となる肺動脈のリモデリングの進展に関わる遺伝学的リスク評価、オミクス解析・病理学的検討を含めた包括的な解析により右心不全進展の分子機序について検討することである。2019年度は急性心不全のため入院を要した心不全症例225症例における血行動態の解析を進め、肺高血圧症の重症化の機序の一因とされている肺血管リモデリング(前毛細血管性肺高血圧症)の存在頻度とその臨床背景を検討した。左室収縮能の保たれた心不全症例における前毛細血管性肺高血圧症の頻度は、全体の10%未満と非常に稀であったが、1年目時点の全死亡および心不全再入院の頻度は有意に高く、予後不良因子であることが確認された。患者背景としては、体格の小さい女性および心エコー図における左室拡張機能障害の存在との関係が占めされた。本検討結果を踏まえ、今後は左室駆出率の高度低下をきたした症例にも幅を広げ、肺高血圧症の頻度および重症度と臨床背景の解析を進める共に、ゲノムデータベースと臨床情報を合わせ、臨床病態に影響を及ぼす遺伝子素因の検索を行っていく予定である。また、全エクソーム解析データより得られた情報をもとに、肺動脈性肺高血圧症肺高血圧(第1群肺高血圧症)の原因遺伝子および疾患関連遺伝子として報告のある遺伝子変異を用いて新たに疾患各群の層別化を行い、肺動脈リモデリングを伴う肺高血圧症の発症、進展に関わる遺伝学的リスク因子の検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床表現型の層別化の基盤となる心不全に伴う肺高血圧症に関係する臨床背景(phenotyping)の解析を実施し、左室拡張機能障害の関与が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の結果を踏まえ、臨床表現型の層別化とゲノム情報との関連性を明らかにするため、表現型、重症度による遺伝的リスク因子の検討および同定されたリスク因子に基づく心不全症例の層別化と予後評価へ移ることを目標に研究を進めていく。結果を取りまとめて成果の発表を順次行い、学術発表にも力を入れて取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の経費のうち、今年度は臨床表現型の解析に力を入れたため、ゲノム解析の検体数が当初の予定より少なく、次年度に繰り越すこととした。 次年度の研究計画に基づき、今年度に予定していたものも含め検体の測定やデータ解析、研究成果発表のための学会出張旅費に使用予定である。
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