2019 Fiscal Year Research-status Report
心臓サルコイドーシスにおける遺伝的素因の探索と臨床病態層別化に関する検討
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18K08071
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南口 仁 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (90648495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 泰史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00397671)
朝野 仁裕 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60527670)
木岡 秀隆 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70642099)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サルコイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である。サルコイドーシスの症状発現部位は、眼、肺、心臓、消化管などが知られており、臨床像は多彩である。発症に関わる詳細な分子機序はいまだ不明であるが、HLAタイプなどの遺伝的要因と感染などの環境要因の関与が示唆されている。サルコイドーシス発症の遺伝的要因として、第6染色体短腕上のHLAクラスII領域に位置するHLA-DRB1遺伝子が疾患発症に関わっている可能性が示されている。しかしながら、サルコイドーシスの生命予後を規定するとされる心臓サルコイドーシス(Cardiac Sarcoidosis; 以下CS)を含め、症状発現部位と遺伝的要因に関する検討に関してはなされていない。そこで、本研究の目的は、 1.サルコイドーシスの心病変合併及び重症化に関わる遺伝的素因を明らかにすること。CS発症の遺伝的要因として、前述したサルコイドーシスにおける免疫学的な遺伝要素に加え、心筋の脆弱さ、すなわち心筋症関連遺伝子の変異が関与しているのではないか、という仮説をたてて検証を行う。 2.ゲノム情報・臨床情報を統合した心臓サルコイドーシスの層別化をおこなうこと。CSの中で予後治療法共に異なる以下の臨床病態、i) 心不全型CS, ii) 心室頻拍型CS, iii) 房室ブロック型CSについて、臨床分類(Phenotyping)し、個々のゲノム情報を精査(Genotyping)することで遺伝的背景との関連を明らかにする。 以上1、2の取り組みにより、CSの層別化と個別化医療の確立を目指すことが本研究の概要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数を集めるために多施設からサルコイドーシスの症例を収集した。大阪大学医学部附属病院では34症例、多施設では13症例の臨床データの解析をおこなった。さらに多施設での解析は数例追加可能であるが、COVID-19の影響で現在は臨床データ収集は中断している。臨床データに関して、心臓サルコイドーシスに関しては、当初の研究概要にも記載しているように、心不全型、心室頻拍型、房室ブロック型に分類した。サルコイドーシスの局在、患者背景、血液検査、12誘導心電図、画像所見に関する情報を収集した。 また、コントロールデータとして、肺サルコイドーシスで心臓に集積していない症例に関してのデータ収集もおこなった。 ゲノム解析に関しては、大阪大学医学部附属病院における症例はすべて終了した。また、HLAの解析に関しては、金沢大学と協力して解析をおこなっている。現状は最終の解析のみという段階まできているが、COVID-19の影響で大阪から金沢に移動することができず、現在見送っているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床情報プロファイルの収集およびデータベース化として、ステロイド治療を含めた集学的治療内容、治療後の生命予後、心不全入院、致死性不整脈イベントに関しては、引き続き情報収集をおこなう。心電図変化や心機能(左室駆出率など)の変化も同様に追跡する。また、大阪大学医学部附属病院のみならず、多施設から提供頂いたサンプルを用いて、引き続き全エクソン解析を実施する。65Mbの疾患変異可能性領域に対するエンリッチメントライブラリーの作成からシーケンスを実施し、専用PLを用いて変異絞り込みと同定を行い、大阪大学の心筋症疾患変異情報データベースを用いて変異注釈つけをおこなう。また、HLAの解析結果情報の収集をおこなう。引き続き、臨床情報プロファイルとゲノム情報の統合および相関解析、心臓サルコイドーシスの病型分類(心不全型・心室頻拍型・房室ブロック型)と全エクソン解析データ・心筋症関連疾患遺伝子情報に関する結び付けをおこなう。
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Causes of Carryover |
学会への積極的な参加ができなかったこと、学会発表準備、論文発表をすすめていくことを本年度は目的とする。
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