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2019 Fiscal Year Research-status Report

TLR9シグナルによる心臓リモデリングと不整脈発生メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 18K08077
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

添木 武  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60393211)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐田 政隆  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (80345214)
植松 悦子  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教務補佐員 (10352080)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords循環器 / Toll-like 受容体 / 心房細動
Outline of Annual Research Achievements

心臓におけるToll-like 受容体(TLR)シグナルを介した炎症反応と不整脈発生・維持との関係は全く分かっておらず、本研究にて検討した。野生型マウスおよびTLR9 KOマウスに対し浸透圧ミニポンプを用いてアンジオテンシンII(AngII)(2mg/kg/日)の持続的投与を4週間施行した。テールカフ法によればAngII投与群は非投与群に比し有意に血圧上昇がみられたが、TLR9 KOマウスと野生型マウスで有意差は認められなかった。心臓重量体重比も同様にAngII投与により増加していたが、TLR9 KOマウスと野生型マウスで有意差は認められなかった。心エコーによる左室駆出率、左室拡張末期径に関しても、TLR9 KOマウスと野生型マウスで有意差はみられなかった。病理組織学的検討では、AngII投与群は非投与群に比べSirius Redによる左房の線維化率が増加していたが、TLR9 KOマウスは野生型マウスに比べ線維化率が有意に抑制されていた。特殊電極カテーテルを頸静脈から挿入し右心房に留置し、電気刺激装置による高頻度ペーシングにて心房細動の誘発を行ったところ、AngII投与群では高頻度に心房細動が誘発されることが確認された。TLR9 KOマウスは野生型マウスに比べ誘発率が抑制されていた。摘出心房内での血栓形成は、今回のモデルでは明らかなものは認められなかった。摘出心房の遺伝子発現を定量PCR法により検討したところ、炎症並びに線維化関連遺伝子(TNF-α, interleukin-6, TGF-β, collagen-1, collagen-3)の発現はTLR9 KOマウスは野生型マウスに比べ減少していた。ここまでの研究結果によると、TLR9を介した炎症シグナルは心房の線維化を引き起こし心房細動発症の基質形成に関与する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

野生型マウスおよびTLR9 KOマウスに対しアンジオテンシンIIの持続的投与を施行し、TLR9の有無による生理学的・病理学的・生化学的変化の評価することに関しては、上述したように概ね順調に進んでいる。しかしながら、心房・心室組織および浸潤炎症細胞でのTLR9の発現など詳細な病理学的評価については現在進行中であり、予定より遅れている。電気生理学的評価も概ね順調ではあるが、マウスにおける心房細動の定義などがしっかりと定まっておらず、もう少し検討の余地があると考えられる。また、ヒト心房細動患者や心不全患者において血漿中のcell-free DNAを測定する予定であったが、対象症例からのサンプリングは進行中であるが、測定はまだである。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、野生型マウスおよびTLR9 KOマウスに対しアンジオテンシンII(AngII)の持続的投与を施行し、心房・心室組織および浸潤炎症細胞でのTLR9の発現を調べる。心臓超音波検査にて心房・心室のリモデリングを評価した後、心臓電気生理検査により心房・心室の不応期を調べ、心房・心室の高頻度ペーシングにて心房細動・心室細動の誘発の有無を比較検討する。心房での炎症・心不全関連遺伝子の発現なども調べる。それらと並行して、ヒト心房細動患者や心不全患者において血漿中のcell-free DNAを測定し、肥満、心不全、心房細動、心室性不整脈等との関係を多面的に調べる。CTによる内臓脂肪との関連についても検証し、リハビリテーションなどの介入によりcell-free DNAが変動するかも調べる。さらに、可能であれば、ヒト心臓線維芽細胞にCpG-ODNおよびAngIIを加え、細胞増殖・細胞遊走能を評価する。次に、刺激後の炎症性サイトカインの発現様式をサイトカインアレイにて検証する。そして、レポーターアッセイおよびデュアルルシフェラーゼアッセイによりNF-κB等の細胞内シグナルを評価する。

Causes of Carryover

研究に必要な物品が予定より少額で購入できたため。ラットの心房細動誘発実験をさらに詳細に行う必要があり、そのための物品購入として使用予定である。

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Published: 2021-01-27  

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