2022 Fiscal Year Annual Research Report
New diagnostic strategy for senile systemic amyloidosis.
Project/Area Number |
18K08078
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北岡 裕章 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 亨 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (80325422)
馬場 裕一 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (90598509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心アミロイドーシス / トランスサイレチン型アミロイドーシス / Tc ピロリン酸シンチグラフィ / 高感度トロポニンT / 老人性全身性アミロイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
老人性全身性アミロイドーシス(野生型トランスサイレチン型アミロイドーシス)は、従来まれな疾患とされてきたが、近年、心不全患者の10%程度存在し、希な疾患でないことが報告されるようになった。一方、その診断戦略は、各施設で統一されていない。我々は、老人性全身性アミロイドーシスの診断に、高感度トロポニンTおよびTc ピロリン酸シンチグラフィが有用であることを報告してきた。 本研究は、老人性全身性アミロイドーシスの診断に高感度トロポニンTおよびTc ピロリン酸シンチグラフィを組み合わせた診断戦略が有効かどうかを検討した。対象は、1)65歳以上、2)心エコーで左室壁12mm以上の心肥大、3)心肥大を説明しうる他の疾患を認めない患者とした。高感度トロポニン高値を認めた場合、Tc ピロリン酸シンチグラフィを施行し、その結果に基づき、腹壁脂肪、心筋、皮膚、消化管粘膜などからの生検を行い、免疫染色を含む組織診断を加え、組織診断でトランスサイレチンが陽性であった場合、遺伝子検査を追加し、野生型トランスサイレチン沈着による老人性全身性心アミロイドーシスの診断を確定した。 本診断戦略で、研究期間累計 102件の同意を得て、2次スクリーニングおよびアミロイドーシスの確定診断を行った。 本研究の結果、老人性全身性アミロイドーシス診断のため、高感度トロポニンTが高い感度で有用なこと、一方、高感度トロポニンT高値のみででピロリン酸シンチを行った場合、特異度は高くなく、左室壁肥厚、心電図所見と組み合わせることで高い感度、特異度で診断が可能な事を明らかにした。
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