2020 Fiscal Year Annual Research Report
The pathophysiological mechanisms and causative genetic mutations of familial aortic aneusyrm/dissection and patent ductus arteriosus
Project/Area Number |
18K08083
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
今井 靖 自治医科大学, 医学部, 教授 (20359631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 自治医科大学, 医学部, 学長 (60207975)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
高橋 政夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (00447418)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 動脈管開存 / Crisper-Cas9 / モデルマウス / パネル遺伝子解析 / マルファン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が臨床現場で遭遇した家族性大動脈解離家系(一部動脈管開存を伴う)(MYH11 c3766_3768 del AAG, pK1256del)に見出した遺伝子変異をCrisper-Cas9システムを用いて導入したマウスを樹立した。ヘテロ接合体の交配によりメンデル則に従ってホモ、ヘテロ体を得ることが出来たが、ホモ体において弾性線維断裂など血管壁の脆弱性が認められ、さらにホモ体では全例で動脈管開存が認めた。アンギオテンシンII投与モデルにおいてヘテロ体で大動脈解離発生が一定数に認められ、ホモ体では全例、大動脈解離・瘤を来し死亡した。以上からこのヒトで認められた遺伝子変異はマウスにおいてもヒトに類似した血管表現型を呈することが示された。今後このマウスを大動脈解離および動脈管開存症モデルマウスとして薬理研究・循環器疾患の病態解析に活用する。 加えて遺伝性が示唆される大動脈解離症例についてパネル遺伝子解析を20例に実施。マルファン症候群の国際的な診断基準modified Ghent nosology (2010)に従ってマルファン症候群が確定している症例では1例を除いてFBN1遺伝子変異が陽性であった。例外的にMarfan症候群と臨床診断していた1例にはFBN1遺伝子に変異がなくFBN2遺伝子変異を認めた。マルファン表現型が無い家族性大動脈解離において1例ACTA2変異(pathogenicの可能性が高い)を認めた。未発症であるが大動脈解離の家族歴のあった2例についてはFBN1遺伝子変異、smad3遺伝子変異であり、今後慎重にフォローを継続する。このように遺伝子解析とその遺伝子を組み入れた実験動物の解析を系統立てて実施する診療・研究体制を継続することにより大動脈解離患者の予後改善・より高品質な管理体制の構築を目指したい。
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Research Products
(11 results)