2020 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism for cardiomyocyte-specific nuclear architecture and disease development by dynamic DNA demethylation system.
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18K08085
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小田 真由美 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (80567511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / Gene body領域 / 5hmC / シングルセル解析 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年に得られたスプライシング異常の再現性とgene body領域のエピジェネティック状態との関連性を調べるための実験を計画していたが、研究環境とコロナウイルス感染症などの影響により進捗がやや遅延した。そのため、実験を伴う研究内容の遅延を補完する目的でさらなる論文調査と公共データの再解析を行い、これまでの結果の裏付けと発展研究のためのリソースを収集した。 まず、公共データの再解析により、選択的スプライシングにおける変化の確認を行った。この検証の中でさらに生じた仮説を検証するために最適なデータ量を推定し、解析環境を整えた。目的とする現象を捉えるために必要な実験内容とデータ解析方法が明確になったことにより、追加実験がひつようになるが、その準備が整ったといえる。 また、複数のシングルセルRNA-seq公共データとデータベースを組み合わせることで、細胞特異的発現遺伝子と転写因子セットの対応についての基礎データを整えた。これにより複数の候補責任因子が推定されたため、今後干渉実験を行うことでエピゲノム変化と遺伝子発現、転写産物の品質管理の関連について議論することができるようになり、研究が進展する。これも追加実験として実施する予定である。 2021年度は研究環境が改善されたため、推定された候補因子と実験方法、必要データ量に基づき確認実験と転写産物の品質検証についての解析を行うことができる。これに公共データリソースを用いた解析を加えることで仮説を検証し、論文作成をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は環境変化などにより目的とする実験が進められず研究の進展がやや遅れたが、文献収集と再解析によってより具体的な検証が進められたため、遅れは最小限であったといえる。 2021年度は実験可能な環境で研究を実施できるため、2020年中に検証したデータリソースと併せて実験・データ解析を行うことで研究をすすめる。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の心臓・心筋細胞RNA-seq公共データの再解析により、選択的スプライシングによる転写産物の品質維持状態の変化を検証可能な最適な解析方法とデータ量の検討を行ったことにより、目的とする加齢変化の確認実験を行う。また、複数のシングルセルRNA-seqデータを用いて心筋細胞における遺伝子発現変化の転写因子セットと細胞特異的発現遺伝子との対応についての基礎データを整えた。このリソースを元に2021年度は仮説の証明を行い、論文作成をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は環境変化などにより目的とする実験が進められず研究の進展がやや遅れたが、文献収集と再解析によってより具体的な検証が進められたため、遅れは最小限であったといえる。2020年中に検証したデータリソースにより、より具体的な仮説検証のための準備が整ったため、2021年度は実験可能な環境で研究を実施できるためそのための費用を繰り越し、この実験を併せて仮説検証を進めることで論文作成をすすめる。
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