2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism for cardiomyocyte-specific nuclear architecture and disease development by dynamic DNA demethylation system.
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18K08085
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小田 真由美 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (80567511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 5hmC / 遺伝子転写制御 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゲノム配列要素がどのように細胞の特性、機能、病態に影響しているかを調べることにより細胞特異的なエピゲノム構成とゲノム配列構成の関係性を明らかにすることを目的としている。以前マウスの心筋細胞と肝細胞のエピゲノム比較により、心筋細胞で細胞特異的遺伝子gene body領域(GB領域)にDNA低メチル化を伴うエピジェネティック状態が形成されることを明らかにしている。低メチル化領域は様々なDNA結合因子を許容し、細胞の発生過程を記録する履歴となる可能性が示されているため、細胞種によってGB領域の他のエピジェネティック状態がどのように変化するかを調べた。
2021年度はENCODE projectデータベースよりwhole RNA-seqおよびエピゲノムデータを取得し、低メチル化GB領域が核内でどのような性質を持っているかを調べた。以前新生RNA量を調べるGRO-seqを用いて心筋細胞特異的遺伝子GB領域における転写伸長反応の頻度を調べ、この領域で転写伸長が盛んであることがわかっていたが、RNA polymerase II(Pol II) ChIP-seqのデータより、この領域に集中的にPol II分子が蓄積されていることを確認した。細胞特異的遺伝子GB領域に集中したPol II分子の集中を肝臓と比較すると、肝臓では心臓に見られるようなPol II分子の集中はないことを確認した。興味深いことに、ヒトでのPol IIのGB領域への集中は心臓と肝臓で観察され、差異がなかった。ヒトでもGB領域の低メチル化は観察されていることから、ヒトでは低メチル化GB領域に対してマウスと異なる転写産物の品質管理を行っている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)