2018 Fiscal Year Research-status Report
超音波制御ウルトラファインバブルで組織標的性を高める薬剤性血管新生療法の開発
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18K08089
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐々木 健一郎 久留米大学, 付置研究所, 講師 (70320190)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体適合性バブル / 新規薬物療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウルトラファインバブル(UFB)製造機器とリポPGE1注射製剤(アルプロスタジル)を用いて、さまざまな撹拌振盪条件、加圧ガス条件、薬剤濃度条件下に、UFB化PGE1の製造を繰り返し試みた。バイアル内に浮遊するUFBは、目視およびレーザー散乱撮影像で観察したが、目視レベルで従来のUFBに程遠い状態であった。共振測定法での質量的確認でも、アルプロスタジル自体のバブル化は確認できなかった。リポPGE1製剤単体でのUFB化達成には長期間を要すると判断し、次にアルブミン製剤とアルプロスタジル製剤の混合液を用いてUFBの製造を試みた。目視的にもレーザー散乱撮影像的にもUFBの存在が確認されたが、製造されたUFBについては、アルブミンのみで製造されたUFBの中にアルプロスタジルが封入されているのか、アルブミンのみで製造されたUFBの外側にリピッドマイクロスフェアに封入されたアルプロスタジルが接着しているのか、全く共存していないのか、について不明であった。 その一方で、診療用超音波画像検査機器の各種プローブ(リニア型、コンベックス型、セクタ型)を用いて、ラットの尾静脈から注入したアルブミン製剤UFBが下肢動脈内を末梢側へ循環する様子の画像認識を試みた。市販のマイクロバブル(ソナゾイド)を用いて動物実験法を確立後、さまざまなバブル濃度、観察条件設定で観察を繰り返し、セクタ型プローブ使用下に目視が可能となった。将来的には血管内を循環通過するUFBの定量化法の確立が必要となるため、市販のマイクロバブル(ソナゾイド)を用いた予備実験も行っており、定量化方法も確立しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想以上にリポPGE1製剤単体でのUFB化が達成できず、アルブミン製剤との混合溶液でUFB化を試みる実験を追加することとなった。その確立も現時点では道半ばである。一方、同時に行ったUFBの生体血管内(動脈内)循環状態の市販超音波画像診断機器による観察実験については、ラットにおいて観察条件や観察方法の獲得に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究開始1年後においてリポPGE1製剤単体でのUFB化が困難な状況にあり、研究期間に期限もあることから、今後はアルブミン製剤との混合溶液でUFBを製造し、そのUFBを超音波照射によって破裂させることで生まれる物理的エネルギーによってリポPGE1製剤のリピッドマイクロスフェアを破裂させることができるか否かについて実験を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 実験継続のため本年度最期に購入を希望した試薬が、予算残金では購入額に満たず、次年度に持ち越すこととした。 (使用計画) 次年度における試薬その他の購入資金とする。
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