2020 Fiscal Year Research-status Report
ナノバブル化アポA-I模倣ペプチドと超音波による新規動脈硬化治療法の開発
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18K08090
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
今泉 聡 福岡大学, 医学部, 准教授 (60609478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (20343709)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アポ蛋白A-I模倣ペプチド / ナノバブル / 超音波 / 動脈硬化 / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノバブル化したFAMPの効果を最大限引き出すために、不安定プラークモデルマウスの作製を行い、その病理学的な特徴の検討を行った。作製したモデルマウスの病理を詳細に検討したところ、プラークの部分には平滑筋細胞が多く、不安定プラークに特徴的なTCFA (thin cap fibroatheroma)やlipid richな部分は予想外に少なかった。また、平滑筋細胞の増殖により、血管内腔が閉塞しているマウスもおり、不安定プラークの安定した作製までは至らなかった。マウスモデルの作製から病理学的な評価まで、一回の実験に数か月かかることと、新型コロナ感染症の影響で実験室が使えなかったこともあり、安定したモデルが作製できるようになるには時間がかかることが想定された。そのため、より簡便な方法でFAMPのナノバブル化と超音波の効果を、in vitro及びin vivoで確認できる方法の検討を行った。これまでの検討では、FAMPを動脈硬化モデルマウスに投与すると、CRPやIL-6などの炎症性物質が低下することが分かっていたが、その詳細なメカニズムは不明であった。一方で、ApoA-Iには抗炎症作用があり、その作用機序の一つとして、大腸菌などのグラム陰性菌の細胞壁の構成成分であるLPS(リポポリサッカライド)などの炎症性物質と結合し、中和することによるものであることが分かっている。そこで、ApoA-I模倣ペプチドであるFAMPにも同様の作用があるかを検討した。その結果、FAMPがLPSを中和し、炎症性サイトカインを減少させる作用を有することが明らかとなった。炎症は動脈硬化の発生とも密接に関係しているため、今後はこのFAMPのLPS中和作用を利用して、FAMPのナノバブル化と超音波の併用効果を見ていくことにより、より簡便な方法で実験進めていくことができると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FAMPの効果をより簡便に調べることができる方法の検討を行っていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
FAMPの抗炎症作用を利用して、FAMPのナノバブル化と超音波の併用効果を見ていく。
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Causes of Carryover |
動物モデルの作製・評価と、FAMPの効果をより簡便に調べることができる方法の検討に時間がかかり、次年度使用額が生じた。今後は、完了できなかった実験を含め予定した実験を遂行していき、実験に必要な物品の購入を中心に使用していく。
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