2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K08099
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 武史 金沢大学, 附属病院, 助教 (90456418)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心房細動 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
心房細動の原因は器質的心疾患のみならず、肥満・高血圧・睡眠時無呼吸症候群・代謝性疾患など多岐にわたる。一方、心房細動自体は塞栓症の原因となるほか、認知症、慢性腎臓病(CKD)などを惹起することも近年報告され始めている。 CKDは心房細動の新規発症のリスクとされ、実際にCKD患者では心房細動の罹患率が高い。そして、CKDを合併した心房細動患者の予後は不良である。一方で興味深いことに、CKD患者において心房細動をカテーテルアブレーションで治療することにより、腎機能が改善するとの報告が複数存在する。このことは、CKDが心房細動の原因であるだけでなく、心房細動もCKDの進展に関与することを意味する。これらの知見は、心房細動における「心腎連関」の存在を強く示唆するが、そのメカニズムに関する報告は乏しいのが現状である。本研究の目的は、心房細動がCKDを進展させる機序を明らかにすることである。現在、カテーテルアブレーションを施行する持続性心房細動患者を対象に、腎機能、腎血流量、腎尿細管/ 間質障害(虚血・酸化ストレス・線維化)マーカー、炎症マーカー、凝固・線溶マーカー、心機能、筋交感神経活動などについて、心房細動時と洞調律時(治療の 前後)で比較検討を行っている。これまでのところ、心房細動のカテーテルアブレーション後に再発を認めない患者群では、再発した患者群と比較してeGFRが有意に改善していることを見出している。また、eGFRの改善度と年齢や左心房径の関連を示唆する知見を得ており、症例数を増やして検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心房細動に対してカテーテルアブレーションを施行した患者のデータを収集が進んでおり、腎機能改善を予測する因子を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
心房細動に対してカテーテルアブレーションを施行した患者のデータをさらに増加させ、これまでに見出した腎機能改善の予測因子の妥当性を検討していく。これにより、心房細動が腎機能障害を引き起こす機序を解明する。
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Causes of Carryover |
心房細動患者のカテーテルアブレーション前後における、各種マーカー(虚血・酸化ストレス・線維化・炎症・凝固・線溶)の測定を行っているが、その解析を次年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)