2019 Fiscal Year Research-status Report
妊娠によるFontan循環と胎児循環の変化メカニズムの解明
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18K08109
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 弾 九州大学, 大学病院, 助教 (20570790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 誘三 九州大学, 大学病院, 助教 (00643347)
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90616616)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フォンタン / 妊娠 / 血栓 / 出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に妊娠したFontan患者さんについて出産後のフォローアップを行っているが、ワーファリン投与中ではあるものの、Ddimer等の上昇はない。妊娠中にみられた血栓様の構造物は依然としてエコーで確認できるが、明らかな増大はない。症状もなく良好な血行動態を保っていると考えられる。近日中に出産後の心臓カテーテル検査とCMRを行う予定としている。前年度からもう一例、妊娠をしており、現時点で妊娠17週である。ヘパリン持続静注を開始したが、絨毛膜下出血がみられ、ヘパリンの中止再開を繰り返している。APTTは50程度でも出血の増悪がみられ、現在はヘパリン 1万単位/dayでAPTTがあまり延長しない程度にとどめている。妊娠15週時の母体と胎児の検査では、母体は心機能も保たれており、弁逆流も軽度であった。明らかな血栓形成はなく、FDP,D dimerの上昇もみられない。妊娠前と比較して現時点での血液データからは明らかな血栓傾向はなく、ヘパリンの影響で出血合併症が起こっている状況であった。胎児の心形態異常はなく、心拡大や心機能異常もなかった。今後は妊娠中期でCMR等を予定している。Fontan患者における炎症性サイトカイン等の上昇について、他の妊娠していない患者で測定すると一部高値を示している群があり、コントロールとして血行動態との関連を検討していく予定としている。また、妊娠のコントロール症例についてはまだデータがとれていないので、今年度中に数例ピックアップしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
妊娠を希望しているフォンタン患者さんはいるものの、実際に妊娠する患者さんはごくわずかで限られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例は少ないが、一例一例が非常に重要であり、現在妊娠している患者さんのデータをできる限りとっていく。また、コントロールがまだなので、できるだけ患者さんをピックアップする。さらに、上述したサイトカインについて、妊娠していないフォンタン患者さんとの比較も行っていく
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Causes of Carryover |
サイトカイン測定に使用する物品やキットを購入しておらず、次年度で購入してさらに多くの検体を測定することとする
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