2022 Fiscal Year Annual Research Report
The evaluation of safety and efficacy of PCSK9 inhibitor in patients with transplant cardiac allograft vasculopathy
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18K08124
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
黒田 健輔 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (70794866)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心移植後 / PCSK9阻害剤 / 移植後脂質異常症 / 移植心冠動脈病変 / 筋ジストロフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心臓移植患者にPCSK9阻害薬であるエボロクマブを使用し、その①有効性(血清脂質値、移植心冠動脈病変(TCAV)の発症頻度、TCAVの進行予防および退縮効果)ならびに②安全性を検討することであり、既に2021年3月末までにおいて8症例(男性7例、女性1例、原疾患:拡張型心筋症4例、虚血性心疾患2例、筋ジ ストロフィー2 例)の登録が終了し、研究におけるフォローアップも終了している。エボロクマブを投与した症例では、全例においてHDLc値の低下を認めることなく有意なLDLc値の低下を認めた。TCAVについては、血管内超音波にて最大内膜肥厚値をフォロー前後で比較しているが、左右冠動脈において有意な改善は認めなかった。本研究における①有効性については、血清脂質値の有意な改善がみられ、管理目標値までの血清脂質値改善には有効であることは示されたが、それがTCAVの改善にまで影響するかという点までは示すことができなかった。これは本研究の登録症例が、既にTCAVハイリスク例であることから、選択バイアスが考えられる。また、②安全性については、筋ジストロフィーの1例が筋肉痛の訴えにより中止希望があり一時中止したが、その後再開している。原疾患より筋肉症状が出現しやすいため、エボロクマブとの因果関係に言及することは難しいが、再開後は継続投与できており再開後は臨床的に問題なかった。また、虚血性心筋症の1例において、特発性血小板減少性紫斑病を発症したが、因果関係は不明であった。いずれも投与中止に至る事象でなく、筋ジストロフィー症例を含む心臓移植後症例において慎重な経過観察の上で投与を継続することができたと判断している。上記、内容・成果・本研究の意義については、2020年アジア移植学会総会にて発表・報告し、現在は論文作成も段階である。
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