2020 Fiscal Year Research-status Report
抗血管リンパ管新生療法は癌微小環境を改善し癌免疫療法の効果を増強する
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18K08133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡崎 達馬 東北大学, 大学病院, 講師 (40396479)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リンパ管 / 血管 / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで腫瘍免疫療法への治療抵抗性の主な原因として、腫瘍攻撃性の免疫細胞が腫瘍内に浸潤しない事が挙げられている。このため腫瘍への細胞浸潤を制御する腫瘍微小環境と腫瘍免疫との関係が注目されている。私はこれまで腫瘍免疫療法に抗リンパ管新生療法と抗血管新生療法を併用するとその効果が強まる事を発表している。これは抗リンパ管新生療法や抗血管新生療法により、正常に機能していなかった腫瘍血管や腫瘍から流出するリンパ管の機能が改善し、腫瘍の微小環境が免疫抑制性から免疫支持性に改善したためだった。実際この微小環境の改善により、腫瘍攻撃性の CD4 陽性及び CD8 陽性 T 細胞の腫瘍内浸潤数が増加した。 今回我々は腫瘍を栄養する血管や腫瘍から流出するリンパ管を明瞭に顕微鏡で観察できる腫瘍モデルを作成した。これは腫瘍血管とリンパ管の機能改善を形態学的に観察し、免疫細胞の血管から腫瘍への浸潤やリンパ管への還流を確認するためである。この腫瘍モデルは胸壁や横隔膜の胸膜に播種性の転移性腫瘍を発生させて作成した。胸壁や横隔膜を血管やリンパ管のマーカーで免疫染色すると、腫瘍血管やリンパ管がはっきりと顕微鏡で同定できた。これまで周囲のリンパ管からどのように腫瘍内にリンパ管新生がおきるか不明だったが、本モデルでは一つ一つの腫瘍が小さいため一つの腫瘍全体への周囲の脈管からの血管新生やリンパ管新生を明瞭に観察できた。免疫細胞のマーカーで染色すると腫瘍周囲に集簇する免疫細胞を同定することができた。また、これまで不可能だった血管内の免疫細胞を同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね予定通り進行しているが、コロナウイルス感染まんえんによる実験中断があった。また所属大学の動物舎移転のため実験が制限されており、実験に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後本モデルに抗リンパ管新生療法や抗血管新生療法を施行し、形態学的にリンパ管や血管が正常化するのか観察する。また、腫瘍内への免疫細胞の浸潤が改善するか観察する。またリンパ管内や血管内の免疫細胞も観察する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染防止のため実験が一時中断したため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(5 results)