2019 Fiscal Year Research-status Report
肺胞上皮細胞における転写因子LHX9の機能とCOPD病態における役割解明
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18K08134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 充啓 東北大学, 大学病院, 助教 (00396483)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはCOPD患者およびnon-COPD対照者の手術検体肺組織からAT2細胞を分離し、マイクロアレイ法にて網羅的に発現変動のある遺伝子群を解析し、COPD患者にて最も発現が亢進していた遺伝子として LHX9を同定している。さらに、確認のため、非喫煙者non-COPD肺癌患者、既喫煙者non-COPD肺癌患者、COPD肺癌患者の手術検体肺組織から分離した肺胞2型上皮細胞のLHX9の遺伝子発現強度をquantitative PCR法にて計測し、その結果、肺胞2型上皮細胞のLHX9の遺伝子発現は喫煙歴(喫煙指数)と正の相関を示し、%予測1秒量および1秒率と負の相関を示していることが判明している。2019年度は、COPD患者において、LHX9の遺伝子発現が増強しているメカニズムについて、肺胞上皮細胞の細胞株であるA549細胞を使用して解析を行った。喫煙、COPDに関連する刺激として、リポポリサッカライド、PolyIC、H2O2、各種サイトカインにて刺激を行い、24時間後、及び、48時間後の発現変化を解析した。その結果、リポポリサッカライド、PolyIC、及び、H2O2ではLHX9の遺伝子発現に有意な変動は認めなかった。一方、サイトカインの一部にて、LHX9の発現上昇を有意に認めるものが判明した。以上のことから、COPDにおけるLHX9の発現上昇はサイトカインを介したものであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は肺胞上皮細胞株を使用した、LHX9の発現上昇機序の解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は初代培養ヒト肺胞2型上皮細胞にて、細胞株にて認めた事象の確認を行う。更に、LHX9の機能解析を行うため、siRNAを使用し、A549細胞の酸化ストレスによるアポトーシス誘導、増殖能、炎症性サイトカイン、プロテアーゼ発現、老化についてLHX9の発現を低下させた状況で変化があるか解析を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度は肺胞上皮細胞株を使用した、LHX9の発現上昇機序の解析が進んだが、すでに研究室にある資源を効率よく使用することができたため、予想より少ない額で解析が進んだ。2020年度は、多岐にわたるLHX9機能解析をおこなうため、siRNAや測定試薬に使用し、研究を完遂する予定である。
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Research Products
(7 results)