2019 Fiscal Year Research-status Report
PDXモデルを使用したEGFR陽性肺腺がんに対するオシメルチニブ耐性機構の研究
Project/Area Number |
18K08141
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北 賢二 金沢大学, がん進展制御研究所, 特任助手 (80625252)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | PDX / EGFR変異肺癌 / オシメルチニブ耐性 / 肺腺癌 / SHOマウス / EGFR-TKI / 分子標的薬耐性 / MET増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新たに肺がん症例でPDXモデルを樹立した。肺腺がんと診断された2例で、2継代以上継続し、PDXモデルを確立した。1例はEGFR exon19 del及びexon20 T790M変異が確認されている症例で、PDX腫瘍でヘマトキシリン・エオジン(HE)染色をしたところ、患者組織の形態を維持していた。もう1例はEGFR、ALK、ROS1が陰性であったが、HE染色によりPDX腫瘍は患者組織の形態を維持していることを確認した。 前年度PDX#7の症例でオシメルチニブ治療により耐性化したことを報告した。また、分子標的薬耐性の原因にMET増幅、上皮間葉転換等が報告されている。そこで、オシメルチニブ耐性PDX腫瘍のホルマリン固定検体を用いて、METの増幅をFISH法により確認したところ、METの増幅が認められた。また、ウェスタンブロット法により上皮系マーカーであるE-cadherin、間葉系マーカーであるVimentin、ZEB1の発現をオシメルチニブ未治療のPDX腫瘍と比較したところ、E-cadherinの低下、Vimentin、ZEB1の増加が認められた。さらに#7のオシメルチニブ耐性腫瘍から、3次元培養であるオルガノイドの作製に成功した。これによりin vitroでの薬剤感受性等の検討が可能となった。樹立したオルガノイドにおいて、オシメルチニブとMET阻害薬であるクリゾチニブを用い、薬剤感受性試験を行ったところ、併用で一定の効果が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オシメルチニブ耐性化に成功したPDX#7において、耐性化のメカニズムは分かっていないが、その要因となるMET増幅、EMT関連マーカーの発現が分かってきており、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
①耐性腫瘍オルガノイドによる薬剤スクリーニング #7オシメルチニブ耐性腫瘍から樹立したオルガノイドを用いて、薬剤スクリーニングを行い、耐性克服できる薬剤を検討する。 ②オシメルチニブ耐性の克服 オシメルチニブ耐性化したPDXモデルを使用し、METを阻害する治療薬とオシメルチニブの併用実験を行う。或いは、オルガノイドを用いた薬剤スクリーニングで効果のあった薬剤を検討する。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Patient‐derived xenograft models of non‐small cell lung cancer for evaluating targeted drug sensitivity and resistance2019
Author(s)
Kenji Kita, Koji Fukuda, Hiro Takahashi, Azusa Tanimoto, Akihiro Nishiyama, Sachiko Arai, Shinji Takeuchi, Kaname Yamashita, Koshiro Ohtsubo, Sakiko Otani, Naohiro Yanagimura, Chiaki Suzuki, Hiroko Ikeda, Masaya Tamura, Isao Matsumoto, Seiji Yano
-
Journal Title
Cancer Science
Volume: 110(10)
Pages: 3215-3224
DOI
Peer Reviewed / Open Access