2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08143
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩堀 幸太 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (80566448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢血を用いたバイオマーカーの開発を目的として、腫瘍微小環境におけるT細胞機能を予測する末梢血中の因子の探索を行った。まず、T細胞活性の測定方法として、T細胞およびがん細胞双方に結合する二重特異性分子(Bispecific T-cell engager)を用いたT細胞のがん細胞傷害活性測定系を構築した。この測定系を用いて、非小細胞肺癌手術症例について末梢血、腫瘍組織の免疫プロファイル、T細胞活性およびTCRレパトア解析を行い、腫瘍組織のT細胞活性と末梢血中の各因子との相関を解析した。腫瘍組織のT細胞活性は、腫瘍組織の免疫プロファイルおよび喫煙歴と関連がみられた。さらに、末梢血との関連を検討した結果、末梢血中の各因子において、CD8+T細胞中のTim-3+細胞の割合およびTEMRA(effector memory re-expresses CD45RA)細胞の割合と腫瘍組織のT細胞活性に相関がみられた。特に、腫瘍組織のT細胞活性と最も高い相関がみられたのは末梢血T細胞活性であった。末梢血T細胞活性は、ニボルマブによる腫瘍内T細胞活性賦活効果とも有意に相関していた。ニボルマブによる腫瘍内T細胞賦活効果が高い群(n=9)および低い群(n=9)についてROC曲線により末梢血T細胞活性のカットオフ値を28.6%と設定した結果、感度88.9%、特異度88.9%、p<0.001、AUC=0.839で両群を判別可能であった。これらの結果から、末梢血T細胞活性測定により腫瘍組織のT細胞機能が予測可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T細胞活性の測定方法として、T細胞およびがん細胞双方に結合する二重特異性分子(Bispecific T-cell engager)を用いたT細胞のがん細胞傷害活性測定系を構築し、この測定系を用いて、抗PD-1抗体投与前の末梢血中のT細胞活性測定を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、抗PD-1抗体投与前の末梢血中のT細胞活性測定をさらに進め、治療効果との関係を調べる。
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Causes of Carryover |
当該年度は研究が計画通りに進行する過程で試薬購入費などが当初予定より少額となったため次年度使用額が生じた。今後、多くの検体を用いた測定を行う予定であり、その解析のための費用に使用する予定である。
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