2019 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症に対する革新的な分子標的治療法の開発
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18K08145
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
角川 智之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90570953)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HSP47 |
Outline of Annual Research Achievements |
HSP47 inhibitorはnormal human lung fibroblastsでのHSP47遺伝子発現およびタンパク発現を顕著に抑制することが示された。同様の現象はnormal mouse lung fibroblastsでも認められた。また、HSP47 inhibitorはhuman lung fibroblastsおよびmouse lung fibroblastsでのviabilityを濃度依存性に抑制した。 HSP47 siRNAを用いた実験も同時に進めている。HSP47 siRNAはnormal human lung fibroblastsおよびnormal mouse lung fibroblastsでのI型コラーゲン発現を抑制することが示された。また、マウス肺線維芽細胞に対して、肺指向性遺伝子ベクターによってHSP47 siRNA transfection を行い、HSP47 mRNA をRT-PCRを用いて測定し、そのknock down 効率をlipofectaminによるtransfectionと遜色ない事が示された。 また、肺癌組織でのHSP47発現程度と予後や転移などとの関連を後方視的に解析した。肺癌手術検体において、肺癌組織におけるHSP47発現は、adenocarcinomaでは、他の組織型と比較し高発現であった。しかし、その生存期間、無増悪生存期間、TNM分類における各因子において、HSP47高発現群と低発現群に有意差はなかった。癌間質におけるHSP47陽性 spindle cellはadenocarcinomaの症例と比較し、他の肺がんの組織型において、より高発現していた。また、病理組織における所属リンパ節への転移がある群において、より高発現していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroの実験は概ね予定通り進んでるが、in vivoの実験は難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のようなin vitroでの結果をもとに、現在in vivoでの治療実験を開始し、進めている。動物モデルを用い、HSP47 inhibitorを投与することによる線維化病変局所におけるHSP47発現およびI型コラーゲン発現を検討し、線維化進行抑制効果を検討する。さらに、今後はHSP47 siRNAを肺組織に送達させ、in vivoでのHSP47発現制御を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
研究代表者の転勤に伴い、動物実験が予定通り進まなかった。新しい研究拠点(山口大学)および客員研究員である長崎大学での動物実験を進めることができるように、環境整備を行っていく予定である。今後は動物の購入、飼育、薬剤の投与などを進めるために使用する計画である。
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