2019 Fiscal Year Research-status Report
Exploratory study of urinary shedding products as a biomarker for lung cancer
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18K08148
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松元 信弘 宮崎大学, 医学部, 助教 (70418838)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺癌 / 扁平上皮癌 / 尿中蛋白断片 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来の検診による早期発見が困難な肺扁平上皮癌を対象に、蛋白質の網羅的末端構造解析によって同定された、癌細胞が生成する尿中シェディング産物を用いて、臨床上有用なバイオマーカーを確立し、その病態を解析することである。 本年度は研究遂行のための研究計画を最終的に決定し倫理委員会へ申請、承認を得た。本研究では、先行研究である「肺癌におけるターミナルペプチドの臨床診断的意義の検討」および、「新規尿中マーカーの肺腺癌における診断精度の検証」へ参加した肺癌患者のカルテ情報から「年齢、性別、診断名(UICCのTNM病期分類(第8版による分類)を含む)、喫煙歴」、「転移があれば転移部位」、「血清クレアチニン」、「尿蛋白定性、尿糖定性、尿潜血定性」、「4期肺扁平上皮癌患者については、転帰と診断確定からの生存期間」に関する情報を収集し、尿中蛋白断片解析結果と合わせて転移を予測するマーカーを探索する。「肺癌におけるターミナルペプチドの臨床診断的意義の検討」では総同意取得数211例、「新規尿中マーカーの肺腺癌における診断精度の検証」では総同意取得数192例が得られており、これらの中から進行肺扁平上皮癌患者5症例と早期肺扁平上皮癌患者5症例を対象とする。主要評価項目は全転移を予測するバイオマーカーの探索、副次的評価項目は、脳転移を予測するバイオマーカー、骨転移を予測するバイオマーカー、肺転移を予測するバイオマーカー、肝転移を予測するバイオマーカーの探索である。
*本研究の成果は特許申請も念頭にしているため、現時点で学会や論文の発表は行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定としては、令和元年度内に研究計画を最終決定し倫理委員会の承認を得る予定であった。おおむね計画の通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は検体の前向き収集も検討していたが、本研究は肺癌を予測するバイオマーカーの探索的研究であり、すでに収集している検体を用いる後ろ向き研究の方が研究目的にかなっている。研究計画は後方視的研究とし、倫理委員会に既に承認を得た。今後は遅滞なく情報の解析にあたることができる。
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Causes of Carryover |
平成30年度から施行された臨床研究法の影響や新型コロナウィルス肺炎まん延の影響もあり、研究計画の策定に当初の予定よりも時間を要したため次年度使用額が生じた。もともと臨床研究に必要な経費として計上しているので、臨床研究開始によって助成金は当該助成金と翌年度分ともに執行することができる。
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