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2019 Fiscal Year Research-status Report

ST2陽性Th2細胞に着目したステロイド抵抗性喘息の病態解明と新規治療の展望

Research Project

Project/Area Number 18K08152
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

間藤 尚子  自治医科大学, 医学部, 准教授 (80406149)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 平原 潔  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00707193)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsステロイド / 外因性ステロイド / 組織常在性T細胞 / 胸膜炎
Outline of Annual Research Achievements

【ヒト記憶型T細胞の呼吸器検体からの分離】
申請者はマウスモデルを用いてアレルギー性疾患におけるステロイド抵抗性には肺のILC2細胞に加え、肺組織常在性記憶型T細胞が中心的な役割を果たすこと、IL-33の刺激がそのインデューサーとなることを証明した。この結果に基づき、ヒトにおいてIL-33に反応しステロイド抵抗性を示す肺組織常在型T細胞の同定、機能解析を行いたく科研費を申請した。ヒト 検体を扱う研究について当学の倫理委員会の承認を得たのち、呼吸器外科の協力を得て、まずは肺癌手術で得られる肺組織の一部を使用し、T細胞の分離を計画した。尚、アレルギー性疾患を合併した肺癌患者が少数であったことから、他にステロイド抵抗性病態が想定される疾患として間質性肺炎合併の肺癌患者から検体を採取した。しかし採取した組織の部位・状態によっては細胞の回収効率が悪く十分な単核球分画が安定して得られなかった。反復しても結果が安定しないことから、肺組織以外で単核球の回収が可能な検体として胸水に着目し、胸膜炎によって採取した胸水から単核球分画の分離同定を試みた。進捗は次項で記載する。

【ステロイド血中濃度の想定、抵抗性に繋がる因子の解析】
ステロイド抵抗性について別方面からのアプローチとして、ステロイド投与を受けた患者の血中ステロイド 濃度をLSIメディエンス社で測定し、血中濃度に影響する可能性がある各種因子との相関解析を行った。また治療中の再燃や治療抵抗性の有無との関連をレトロスペクティブに解析した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

【ヒト記憶型T細胞の呼吸器検体からの分離】肺組織の採取にあたっては、前提として手術目的である疾患の診断に影響がないよう必要最小限の肺組織採取にとどめた。肺組織を砕屑、単核球層分離後にフローサイトメトリーを行なったが、我々の技術では、線維化肺が十分に砕屑されず、細胞の挫滅なども加わり解析に供する生細胞が減少し、結果、従来少数とされる肺組織常在性T細胞の同定は困難であった。このため肺組織を用いることを諦め、すでに細胞が浮遊した状態で存在する胸水に対象を変更した。胸水は粗大な夾雑物を除いたのち、専用の分離チューブを用いて単核球を分離しさらにフローサイトメトリーを行ったところ、生細胞が多く存在する状況で、CD4+、CD8+T細胞に加え CD45RO, CD44、CD62Lといった記憶型T細胞のマーカーが検出可能であった。またフローサイトメトリーで細胞内サイトカインの検出も現在行ない各種条件下で変化を解析している
【ステロイド血中濃度の想定、抵抗性に繋がる因子の解析】
またステロイド血中濃度の測定、各種パラメーターとの相関解析では、体重/BMIはステロイド血中濃度と逆相関し、体重/BMIの増加により、ステロイドの脂肪組織への吸収等により血中濃度が低下し、治療抵抗性や病態の再燃に関与する可能性が示唆された。脂肪量、脂肪代謝をつかさどる因子としてアディポカインに着目し相関を解析中である。また血中濃度が低い1人の患者で治療不応が見られ増量による改善を確認した。

Strategy for Future Research Activity

【ヒト記憶型T細胞の呼吸器検体からの分離】当初はアレルギー疾患における組織常在性T細胞の役割、IL-33によるステロイド抵抗性について検証することを本研究の第一の目的としていたが、検体が胸水に変わったことで想定する疾患としてはアレルギー性のほか自己免疫性、悪性腫瘍など広くT細胞免疫が関与する呼吸器疾患を対象に組織常在性T細胞の病的意義を解析する方向とした。。特に刺激する因子として当初IL-33のみを想定していたが、悪性腫瘍も対象となることも踏まえ抗PD-1抗体による活性化も並行して行ない、反応の個体差をT細胞のフェノタイプや、細胞内サイトカインの産生量を比較し解析する。
【ステロイド血中濃度の想定、抵抗性に繋がる因子の解析】
体重/BMIとステロイド血中濃度が逆相関することを明らかにし、その背景因子として脂肪量、筋肉量、アディポカインとしてレプチン 、アディポネクチンとの関連の有無をみる。

Causes of Carryover

胸水の提供数により実験の進行が左右され、年度の後半は新型肺炎の問題もあり実験回数が減少し繰越金が生じた。本年度は引き続き胸水T細胞の分離、同定に加え、サイトカインの検出試薬、PD-1抗体、VEGF抗体などの購入を予定しており使用する予定である。またLSIメディエンス株式会社に委託しているステロイド血中濃度測定の費用にも充てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Clinical significance of adiponectin in the patients with interstitial pneumonia2019

    • Author(s)
      Yasumaro Fujiki, Naoko Mato
    • Organizer
      Congress of American Thoracic Society 2019
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 合成ステロイド製剤の生体内動体と副作用に関する検討2019

    • Author(s)
      間藤尚子
    • Organizer
      日本呼吸器学会学術集会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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