2020 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of ST2+CD4+ T cells in the mechanism of steroid-resistant asthma
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18K08152
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
間藤 尚子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80406149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 潔 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00707193)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ST2 / IL-33 / 気管支喘息 / 好酸球 / ステロイド抵抗性 / Th2細胞 / CD4+T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステロイド抵抗性喘息では、治療の反応性低下から炎症が遷延し、気道周囲にリモデリングと称される線維化を生じ、不可逆的な呼吸機能障害を生じる。申請者らは、ステロイド抵抗性気管支喘息の病態解明に取り組み、気道上皮下層に常在するST2+CD4+T細胞が、気道上皮細胞より放出されるInterleukin-33 (IL-33)に反応して好酸球炎症を惹起し、さらにステロイド投与下でもサイトカイン産生が低下せず抵抗性を示すことを明らかにした。尚、T細胞を欠失させた系では好酸球の集簇が惹起されずT細胞がIL-33による好酸球性炎症に必須であることを示した。一方で①CD4+T細胞のステロイド抵抗性の機序、②リモデリングへの関与が次の課題であった。 ①についてはT細胞におけるIL-33のシグナル経路を過去研究も参照し検討した結果、IL-33により活性化されるMAPKが細胞質のグルココルチコイド受容体(GR)の核内移行を阻害することでGRを介した情報伝達を阻害し、ステロイド抵抗性を示す可能性が最も考えられた。また②リモデリングのメカニズムに関しては、同研究室の別グループから、好酸球性副鼻腔炎において記憶型CD4+T細胞からのAmphiregulinを産生が細胞外器質の増加に必須であることが示された他、肺にはCD4+FoxP3+T細胞が常在し、CD103低発現のCD4+FoxP3+T細胞が気道周囲のリモデリングを促進する遺伝子を高発現していることが示された。このように上下気道においてCD4+T細胞が新しい機序で線維化に関与し、気道疾患の難治化に関わっていることが示され、今後ヒトでの検証および治療標的となる分子の同定が課題となっている。
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