2020 Fiscal Year Annual Research Report
Anticancer drug screen in small cell lung cancer using a pituitary differentiation regulators as an indicator
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18K08162
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
末永 雄介 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 研究員 (80581793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 左奈 千葉県がんセンター(研究所), 遺伝子診断部, 部長 (30372452)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / 下垂体前葉ホルモン / OTX2 / LHX3 / PAX6 / POMC |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺癌は肺癌の中で最も悪性であり、化学療法や放射線療法といった古典的な治療法以外に有効な治療法はない。5年生存率は約20%であり、新たな治療法の開発が必要である。我々は、小細胞肺癌の一群が下垂体前葉の発生初期を制御する転写因子を高発現し、90%以上の5年生存率を示すことを発見した。本研究では、この独自の知見をもとに小細胞肺癌の分化や脱分化を誘導することで、治療感受性を増強できるかを調べた。口腔外胚葉の発現パターンを示す小細胞肺癌株SBC3, SBC5を用いて、脱脂FCSを含む培地で培養し、脱分化を誘導した。神経分化誘導には低接着プレートを用いた3次元培養を行った。神経分化誘導後の小細胞肺癌株を用いた化合物スクリーニングでは分子プロファイリング支援活動の支援を受けて入手した標準阻害剤キット1~4 (kit1 ver3.2, kit2 ver2.3, kit3 ver1.6, kit4 ver2.3)とシグマ社より購入したエピジェネティクス関連化合物ライブラリー(80種)の計445化合物を用いた。SBC3およびSBC5細胞では3次元培養により、下垂体分化経路の活性化が起こり、神経分化が誘導されることが明らかになった。また、神経分化後のSBC3細胞ではCa2+-PKCシグナル、 CAMKII、 Ca ionophoreなどの阻害剤が選ばれ、神経分化に伴い、神経のシナプスやスパイン形成に重要な因子の阻害剤が細胞増殖を抑制することが示唆された。
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