2021 Fiscal Year Research-status Report
加齢による呼吸器疾患とリゾホスファチジン酸の関連 -肺の中の混沌と秩序-
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18K08167
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
兼平 雅彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90374941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 眞也 東北大学, 事業支援機構, 講師 (40375035)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / 呼吸器 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは、加齢に伴う呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disorder;COPD)の増悪と、リゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid;LPA)受容体のサブタイプ3(LPAR3)シグナルの関係をLPAR3遺伝子欠損マウス(LPAR3-/-)を用いて解析してきた。次は、新たに化学物質への曝露に伴う肺がん発生との関係を明らかにすることを試みた。 LPAR3-/-ならびに野生型(WT)マウスへ、ウレタン(カルバミン酸エチル)1.0 mg/体重[g]を週1回腹腔内投与し、計10回投与した。さらに10週間飼育した後、安楽死し、肺がんの発生に有無を肉眼的に確認した。 LPAR3-/-マウスはWTに比べ、統計学的に有意差は認められなかったが、肺がんの自然発生が多い傾向が認められた。また、ウレタン投与初期は、LPAR3-/-はWTに比べて体重の減少が認められた。これらの傾向に性差や週齢による差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、LPAR3シグナル異常を慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪の関係を明らかにしてきたが、今回新たに化学物質による肺がんとも関わりがある可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、LPAR3-/-マウスをウレタン肺がんに高感受性の系統であるA/Jへ戻し交配し、再度肺がん発生率の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で学会への参加が出来なかった。代わりに実験用試薬を購入する予定である。
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