2019 Fiscal Year Research-status Report
肺線維芽細胞の特殊性に基づいた呼吸器疾患の病態理解
Project/Area Number |
18K08170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 朗 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (90591412)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺線維芽細胞 / RNAシーケンス / 遺伝子発現解析 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺線維芽細胞で特徴的な発現を示す88遺伝子のうち、8個の転写因子(TBX2, TBX4, TBX5, FOXL1, FOXP1, MEIS1, TGIF1, HOXA5)がスーパーエンハンサー領域と重なっていた。 さらに88種類の細胞・組織サンプルにおけるスーパーエンハンサー領域を比較検討したところ、FOXL1/FOXC2領域では8個のサンプル、FOXF1/FENDRR領域では12個のサンプルでスーパーエンハンサー形成がみられた。これら4つの遺伝子を含むFOX遺伝子クラスター領域におけるスーパーエンハンサー形成は、88種類のサンプルのうち肺線維芽細胞でのみ認められた。 次に肺線維芽細胞でFOXL1のノックダウンを行い、RNAシーケンス解析により発現変動を示す遺伝子群を調べた。 FOXL1により制御されうる遺伝子群として、CTGF, BMP-2/4, PDGFRAなどを同定した。細胞機能解析では、FOXL1が細胞増殖やコラーゲンゲル収縮を調節しうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAGEシーケンス解析、スーパーエンハンサー解析、肺組織の発現解析などで、幸いにも共同研究者の協力が得られ、肺線維芽細胞に特徴的なFOXL1遺伝子の生理的・病理的意義が解明されつつある
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の協力を得て、正常肺組織や肺線維症患者由来の肺組織におけるFOXL1の発現パターンを調べる
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Causes of Carryover |
細胞培養や分子生物学的実験に関わる試薬の購入費用、論文掲載費用にあてる
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