2018 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィルム形成因子の全ゲノム探索を足掛かりとした肺MAC症の難治化機序の解明
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18K08172
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
立石 善隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30433296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トランスポゾン / 次世代シーケンシング / 非結核性抗酸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非結核性抗酸菌は低酸素条件下において特異的にバイオフィルムを形成する(Totani T. Sci Rep. 2017;7:41775)。今回、トランスポゾン(Tn)変異導入システムによる、ゲノム全体を網羅した変異株の作成と、次世代シーケンス技術を併用したTransposon sequencingにより、バイオフィルム形成における必須遺伝子の探索を試みた。 Mycobacterium intracellulareに対してTnを導入し、変異株プールを作成した。この変異株プールから対数増殖菌およびバイオフィルム菌を作成しゲノムDNAを抽出した。次世代シーケンシングとBowtie2によるマッピングより、Tn挿入個所の同定と挿入リード数の算出を行った。条件特異的必須遺伝子の同定を、TRANSIT softwareを利用したresampling解析で行った。さらに、検出した遺伝子に対して、KEGGデータベースを用いたパスウェイ解析を行った。 その結果、57遺伝子において、Tn挿入数が有意に減少していた。これらの中には、糖質代謝(糖新生ならびにトレハロース合成反応)、アミノ酸代謝(分岐鎖アミノ酸分解、メチオニン合成)、脂質代謝(トリアシルグリセロール合成、コレステロール分解を含めた広範な代謝系が検出された。 Transposon sequencingにより、バイオフィルム形成における代謝経路の再構築が示唆された。次年度は、サンプル数を増やして上記結果の正確性を高めること、および上記代謝系遺伝子に対して、遺伝子欠損株を作成し、バイオフィルム形成に対する影響を直接的に証明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、非結核性抗酸菌に対するトランスポゾンシーケンシングにより、生存必須遺伝子をリストアップすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、検体数を増やして今年度の結果の正確性を高める。また、遺伝子欠損株を作成し、これを使ってバイオフィルム形成への影響を直接的に証明する。
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Causes of Carryover |
遺伝子欠損株を作成する必要が生じたため。また、生体感染における必須遺伝子同定実験として、マウスの購入を検討しているため。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Significance of a histone-like protein with its native structure for the diagnosis of asymptomatic tuberculosis.2018
Author(s)
Ohara Y, Ozeki Y, Tateishi Y, Mashima T, Arisaka F, Tsunaka Y, Fujiwara Y, Nishiyama A, Yoshida Y, Kitadokoro K, Kobayashi H, Kaneko Y, Nakagawa I, Maekura R, Yamamoto S, Katahira M, Matsumoto S.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 13
Pages: e0204160
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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