2019 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィルム形成因子の全ゲノム探索を足掛かりとした肺MAC症の難治化機序の解明
Project/Area Number |
18K08172
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
立石 善隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30433296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トランスポゾン / 次世代シーケンシング / 非結核性抗酸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺MAC症に代表される非結核性抗酸菌症は、本邦で急増している呼吸器感染症であるが、既存の薬を併用しても効果が低く難治性である。難治性の一因として、非結核性抗酸菌が酸素条件下において特異的にバイオフィルムを形成する(Totani T. Sci Rep. 2017;7:41775)ことが考えられる。今回、主要な非結核性抗酸菌であるMycobacterium intracellulareに対して、トランスポゾンによる変異株ライブラリーの作成と次世代シーケンサーによる全ゲノムシーケンシングを組み合わせたトランスポゾンシーケンシング(TnSeq)を行い、全ゲノム規模で生存必須遺伝子およびバイオフィルム形成に特異的な必須遺伝子の同定を行った。 その結果、Mycobacterium intracellulareには、506の生存必須遺伝子が存在すること、そして、バイオフィルム形成には175遺伝子が必須であることが分かった。生存必須遺伝子には、gyrB, gyrA, embB, embA, inhA, dfrA, alr, rpoB, mmPL3などの既知の抗結核薬の標的遺伝子が多数含まれていた。そして、バイオフィルム形成に必須な代謝経路として、糖新生系、各種アミノ酸代謝、各種脂質代謝、マイコサイオール系、typeVII分泌システムなどが挙がってきた。これらの結果に対して、化合物や阻害薬を使った細菌学的実験を行い、遺伝子の必須性を確認した。今回同定した生存必須遺伝子群は、非結核性抗酸菌の薬剤標的となるため、肺MAC症に対する新しい治療薬の開発において重要な情報源となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は非結核性抗酸菌のバイオフィルム形成因子をTnSeqによりゲノムワイドに同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は生体内での非結核性抗酸菌の必須遺伝子を同定するために、マウスを使った動物実験を中心に実施する。
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Causes of Carryover |
生体感染における必須遺伝子同定のために、マウス購入および実験器具の購入を必要とするため。
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[Journal Article] Characteristic profile of antibody responses to PPD, ESAT-6, and CFP-10 of Mycobacterium tuberculosis in pulmonary tuberculosis suspected cases in Surabaya, Indonesia.2019
Author(s)
Dewi DNSS, Mertaniasih NM, Soedarsono, Ozeki Y, Artama WT, Fihiruddin, Niki M, Tateishi Y, Ato M, Matsumoto S.
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Journal Title
Braz J Infect Dis
Volume: 23
Pages: 246-253
DOI
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