2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nestin-based therapeutic strategy for overcoming anticancer drug resistance in small cell lung cancer
Project/Area Number |
18K08181
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前野 健 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (10444952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小栗 鉄也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60363925)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / ネスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、神経幹細胞マーカーであるネスチンが小細胞肺癌の増殖能、浸潤能、抗癌剤耐性化に関連していることを報告し(Lung Cancer 2013, Front Oncol. 2020)、小細胞肺癌の治療成績向上へ繋がり得る研究と考え臨床応用を目指し検討を進めている。 2019年4月から2021年4月に名古屋市立大学病院で小細胞肺癌と診断し治療を行った症例を連続的に登録して、血漿ネスチン濃度を経時的に測定する前向き観察研究を行った。29症例(進展型20例、限局型9例)において、化学療法2サイクル毎に血漿ネスチン濃度をELISA法により測定し、患者背景、治療反応性、生存期間など各種臨床パラメーターとの相関性を評価した。初回化学療法にて部分奏功を得た25症例では、化学療法前後おける血漿ネスチン濃度の有意な低下を認めた。また、治療前における血漿ネスチン濃度の中央値である2.0ng/mlをカットオフとして高値群と低値群に分け解析を行った。進展型小細胞肺癌患者において、抗癌剤単独で治療を行った症例では高値群と低値群では治療成績に差を認めなかったが、抗癌剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法を行った症例では、低値群は高値群と比べ無増悪生存期間の平均値が有意に長かった(低値群:303日、高値群:139日 P=0.015)。この有意差の原因を患者検体を用いて検討中である。基礎的研究としては小細胞肺癌におけるネスチン下流シグナルを検討している。小細胞肺癌細胞株とそのネスチン発現抑制株を用いたマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行い、関連候補遺伝子を複数抽出した。その中の数個に対し分子生物学的解析を追加したが、現時点で明確な下流分子の同定には至っていない。
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