2019 Fiscal Year Research-status Report
Gut-renal axis: microbiota and chronic kidney disease
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18K08198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三島 英換 東北大学, 大学病院, 助教 (00706939)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸腎連関 / 腸内細菌叢 / 慢性腎臓病 / 尿毒素 / 慢性腎不全 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病における病態を腎臓病と腸内細菌叢の臓器連関「腸腎連関」の観点から解析をすすめた。腸内細菌叢が腎臓に影響を与える主な経路としては、腸内細菌が産生する代謝物の経路と腸内細菌叢による免疫応答性の変化の経路が考えられている。本年度は、特に腸内細菌叢が慢性腎臓病の病態における免疫応答にどにように変化を与えているかを検討した。腸内細菌叢がいない無菌マウスと腸内細菌叢がいつ通常のマウスをそれぞれアデニン誘発性の腎不全モデルを惹起させ、両者の免疫応答性の変化を解析した。免疫関連遺伝子アレイの結果、腸内細菌叢の有無は腎臓内の多くの免疫関連遺伝子の発現量に変化を与えることを同定した。特に、発現変化の大きかった炎症関連遺伝子について免疫染色でも検証を行った。なかでも腸内細菌がいない無菌の腎不全マウスではある種の炎症関連遺伝子が高度に発現量が低下することを明らかにした。また後天性の腸内細菌の消失である、抗菌薬投与(アンピシリン、バンコマイシン、メトロニダゾール、ネオマイシン)を行った腎不全マウスでも、これらの腸内細菌叢が発現量に影響する炎症関連遺伝子への影響を検討を行った。以上から、腸内細菌叢の有無は慢性腎臓病の病態において免疫関連の遺伝子発現に大きな影響を与えていることを明らかにした。さらに、特に発現が低下していた遺伝子のKOマウスを用いて、腸内細菌叢の有無が慢性腎臓病の病態にあたえる影響を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸内細菌叢のいないマウスと、腸内細菌叢のいるマウスを比較し、慢性腎臓病モデルにおける両者の全身および腎臓内の免疫応答性の変化を遺伝子発現レベルで解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
腸内細菌叢の欠落による免疫応答性の変化が、慢性腎臓病時の病態にどのように影響をあたえるかの解析をおこなす。特にターゲットとなる炎症性遺伝子のKOマウスの解析をすすめることで具体的な分子機序の解明をすすめる。
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Research Products
(19 results)