2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K08202
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
若杉 三奈子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (10584782)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 二次分析 / 集計表 / 政策 / 阻害要因 / 見える化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腎透析領域を中心に、集計表を用いた二次分析研究を実践し、その具体的な手法や、論文化までの阻害要因および対策を広く公開することである。これにより、わが国で集計表を用いた二次分析の研究手法が広く普及し、ひいては、データを用いた「現状の見える化」が推進され、政策や医療現場に役立てることができる。 二次分析とは既存データ(二次データ)を利用した研究のことをいい、個票データを用いた二次分析は世界中で行われているが、集計表データを用いて行うことも可能である。諸外国と異なり、公的データであっても個票データの利用が困難な現状のわが国では、誰もが入手しやすい集計表を用いた二次分析が活躍する余地が大いにある。これまで、公表されている集計表データを複数年組み合わせる、あるいは、政府統計など他のデータと比較することで、集計表を用いた二次分析研究を実践し、英文原著論文として発信してきた経験から、集計表を用いた二次分析が普及すれば、現状を「見える化」し、政策や医療現場に影響を与えることが可能であると考える。しかし、集計表データを用いた二次分析研究の具体的な手法が記載された教科書は現時点では存在しない。そこで、本研究では、集計表を用いた二次分析を実践し、その課題と手法を明らかにすることで、集計表を用いた二次分析を誰もが行うことができる未来を目指す。 初年度は、以下の2つの研究を同時進行で行った。1つは、集計表を用いた二次分析の実践であり、もう1つは、集計表を用いた二次分析の課題に関する研究である。集計表を用いた二次分析の実践については、英文原著論文、和文原著論文、和文総説論文をそれぞれ1本ずつ公表した。集計票を用いた二次分析の課題に関する研究については、集計表を用いた二次分析の研究手法、論文化までの阻害要因、対策を広く公開するため、ホームページを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集計表を用いた二次分析研究を実践し、研究成果を英文原著論文、和文原著論文、和文総説論文として、それぞれ1本ずつ公表した。集計表を用いた二次分析の研究手法、論文化までの阻害要因、対策を広く公開するため、ホームページを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、集計表を用いた二次分析を実践し、その研究成果を発信するとともに、二次分析の手法や論文化の阻害要因と対策を明らかにしていく。最終年度には、集計表を用いた二次分析研究のさまざまな研究手法、阻害要因、対策をまとめて公開となる予定である。
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Causes of Carryover |
ホームページ作成を自ら行うことにより、その経費が不要となった。論文は学会誌に投稿したため、予定していた掲載料が不要となった。データ解析用パーソナルコンピューターならびに統計解析ソフトは、本年度中の更新が不要であったこと、学会参加に伴う費用が別予算からの支出となったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、ひきつづき集計表を用いた二次分析研究を実践し、研究成果を公表していく。研究実践のための消耗品、二次分析を広く知ってもらうための貴重なアピールの場である学会発表・学会参加に伴う旅費・宿泊費、ならびに、論文化に際し必要な英文校正、ならびに論文投稿料が必要である。
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