2019 Fiscal Year Research-status Report
Treatment targeting RAGE signal by microRNA in diabetic nephropathy
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18K08220
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
萩原 晋二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70445568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | miRNA / 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 腎線維化 / RAGE |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病において最終糖化産物(AGE)は、AGE受容体を(RAGE)を介して、炎症や線維化を促進し腎症進展に大きく関与している。我々はRAGEノックアウトという特殊な条件下において異常な発現をしていたmicroRNA(miR)214とmiR199aに注目し研究を行っている。これまでの研究でIn vitroでmiR214に抗線維化作用があることを示した。 miR214に関して、糖尿病惹起モデルマウスであるdb/dbマウス、KKマウスとKKAy/TaJclマウス15週齢において、miR214の発現量を比較しKKAy/TaJclマウスが約2倍量と有意差をもって上昇していることを示した。加えて線維性調節を確認する上で早期に線維化を惹起させるためUUO(片側尿管結紮術)を行った。KK-Ay/TaJclマウスにUUOを13週と14週で行う2群に分け、いずれも15週で安楽死させた後にmiR214の発現量や線維化マーカー(αSMA,PAI-1,Fibronectin)を比較した。αSMAに関して健側(13週の非UUO側)に比べて13週、14週のUUO側は2.1倍、3.4倍、PAI-1に関しては健側に比べて13週、14週のUUO側は6.4倍、15.0倍、Fibronectinに関しては健側と比べて13週、14週のUUO側は10倍、33倍の発現量となり、いずれも有意差をもって上昇した。また、miRNA214の発現量に関しては、健側と比較して13週、14週のUUO側は1.6倍、1.7倍と有意差をもって増加したことを示した。 miR199aに関しては、マウスメサンギウム細胞でmiR199a過剰発現とノックダウン行い上記線維化マーカーの発現量を比較したところ、PAI-1においてコントロールと比較し過剰発現で0.2倍、ノックダウンで1.2倍の発現量と明らかに逆転現象が生じたことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、miR214疑似薬をマウスに投与し、腎組織を比較する段階であったが、UUOを施行する段階でマウスが死亡してしまい、対象群が十分数得られなかったためそれ以上の実験を進めることができなかった。また、再度実験を始める段階においてCOVID19の影響で新規マウスの購入や実験制限がかかってしまい、現在実験を進めることが困難になっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に関しては、今年の結果を踏まえオスマウス(KK-Ay/TaJclマウス:miRNA疑似薬投与群n=7、非標的投与群n=7)計14匹に対して10週齢時(体重:KK-Ay /TaJcl約35g)より飼育を行い、腎症の表現型として体重、食事量・飲水量、血圧・脈拍、随時血糖値、HbA1c値等を測定する。14週齢の糖尿病腎症KK-Ay /TaJclマウスをmiRNA疑似薬投与群(n=7)、非標的薬投与群(n=7)に分けてmiRNA疑似薬または非標的薬をmiRNA導入キットを使用しそれぞれの腎臓へtotal 250μlを5か所に分けて被膜下に腎局所投与する。同じタイミングで片側のみUUOを施行する。15週齢でマウスを安楽死させた後に解剖を行い、腎組織を組織学的変化を比較する検体として用いる。予想される結果としては、15週齢のKK-Ay /TaJclマウスでUUO側は非UUO側よりも線維化の増悪が認められる。また、miRNA疑似薬を投与した群は、非標的薬投与群よりも関連遺伝子や蛋白質の発現が減少し、糸球体硬化や間質など腎組織の線維化が改善することが予想される。 また、miR199aにおいては、マウスの近位尿細管細胞においても同様の結果が得られるかどうかについて検索し、またPAI-1が標的遺伝子かどうかに関しても実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
本来であれば、標的miRNA疑似薬をマウスに投与し、腎組織を比較する段階であったが、UUOを施行する段階でマウスが死亡してしまい、対象群が十分数得られなかったためそれ以上の実験を進めることができなかったため。次年度において、再度標的miRNA疑似薬を購入のもと、動物実験を進める方針としている。
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Research Products
(1 results)