2019 Fiscal Year Research-status Report
尿酸トランスポーターの一塩基多型に着眼した腎不全進行因子の解明
Project/Area Number |
18K08224
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
市田 公美 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80183169)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ABCG2 / 尿酸 / 尿酸トランスポーター / 腎機能 / CKD / 一塩基多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、ABCG2の推定機能の腎機能の低下速度への影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】CKD患者(N=276)を対象に、ABCG2の推定機能と腎機能の低下速度を最小二乗法に基づく混合効果(LME)モデルに当てはめて解析を行った。ABCG2の推定機能はABCG2遺伝子の一塩基多型で、頻度が高く機能が低下するQ126X(rs72552713)と Q141K(rs2231142)の組み合わせにより評価した。Q126Xは尿酸排泄能が消失し、Q141Kは尿酸輸送能が半減する。この2つの一塩基多型は同じハプロタイプ上には存在しないため、組み合わせによってABCG2の推定機能を100%・75%・50%・25%とした。なお、LMEモデル解析では推定ABCG2機能群間の観察開始時のeGFRをマッチさせ、観察開始時点の腎機能の影響を平坦化した標本を用いた。 【結果】CKDステージG3群において、観察期間内では推定ABCG2機能率群間のeGFRに有意差は認められなかったものの、観察期間内でのeGFRの推移において推定ABCG2機能と観察開始時からの時間経過の交互作用に有意性が認められた(p<0.001)。 【考察】推定ABCG2機能と観察開始時からの時間経過との交互作用に有意性が確認されたことから、ABCG2の機能低下により腎機能の低下速度が促進することが示唆された。今回、CKDステージG3の患者に階層化し更に観察開始時のeGFRでマッチさせ、観察開始時の腎機能の差によるバイアスを縮小した。しかし、観察期間内でのeGFRに有意差が認められなかった。これはABCG2機能が減少したCKD患者の例数が充分でなかったためである可能性が考えられた。また例数が十分でないため、観察開始時の腎機能以外のバイアスを排除することが困難だった。今後、CKD患者の推定ABCG2機能低下例の数を増やすことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子解析は順調に進んでいる物の、症例数の増加が頭打ちとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
積極的に慢性腎臓病の患者数を増やすようにする。今後、どの程度患者数を増やすことができるかが課題である。
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