2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cystic microbiota analysis of the polycystic kidney disease patients with intractable cyst infection
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18K08227
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
星野 純一 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (70725861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 英利 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70257294)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 嚢胞感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、6検体の詳細な細菌叢解析、および検証作業を実施した。 16SリボゾームRNA遺伝子塩基配列解析から得られた細菌叢をOperational Taxonomic Unit(OTU)にまとめ、嚢胞液から得られたOTU相対比(OUT%)の高い順に並べると、症例1では①Clostridiaceae;g(14.5%), ②Blautia (13.0%), ③Enterobasteriaceae; other (11.4%), ④Enterobasteriaceae;g_(9.1%) ⑤Comamonadaceae;g(8.9%), ⑥Colinsella(5.6%), ⑦Dorea (5.2%)の順に検出された。一方、糞便からはBlautia(4.9%)、Erysipelotrichaceae;g(1.4%)、唾液ではStreptococcus(25.0%)の検出頻度が高く、嚢胞液の細菌叢はこれらとは全く異なる細菌叢分布を示していることが明らかとなった。 症例2の嚢胞液からは①Proteobacteria;f_Enterobacteriaceae;g(89.4%), ②Agrobacterium (3.6%)が検出され、やはり糞便Enterocossus (46.2%)、Lactobacillus(32.3%)、唾液Lactobacillus(30.5%), Firmicutes;enterococcaceae;g(29.9%), Staphylocossus (25.8%)の細菌叢分布とは全く異なる分布形態を取ることが示された。 従来の研究では、嚢胞感染患者の血液・嚢胞液培養で腸内細菌が多く検出されることから、嚢胞感染は腸管バリアーの破綻による腸内細菌叢由来の発症機序が考えられており、現在でも血液・嚢胞液培養結果に基づいた抗生剤投与計画が行われている。しかし、今回の研究結果を総合すると、症例1ではClostridiaceae;g, Blautia, Enterobasteriaceae, Comamonadaceae;gなど多数の菌体が存在し、症例2ではProteobacteria;f.が単独優位であった。これらの嚢胞液における細菌叢構成は、いずれも唾液・糞便の細菌叢構成と大きく異なるものであり、この差異は嚢胞内・腸管・唾液環境の違いに寄与する可能性が示唆された
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Remarks |
現在、海外雑誌(査読あり)に投稿中の英語論文が1編あります。
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Research Products
(7 results)