2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of mechanisms of tubulointerstitial injury by renal mononuclear phagocytes.
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18K08231
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
廣村 桂樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70292597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 和光 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (00334095)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎臓病 / 尿細管間質障害 / 腎不全 / 腎単核食細胞 / 樹状細胞 / マクロファージ / 腎線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎単核貪食細胞の尿細管間質障害機序の解明を進めるにあたり、技術的な問題をクリアするための研究を実施した。腎単核貪食細胞などの腎臓内の免疫・炎症細胞の解析にあたり、フローサイトメトリー(FCM)を用いているが、研究者間でプロトコールが統一されていないことから結論が一定しないことが多い。まずC57BL/6マウスを用いて検討を行ったところ、腎単核貪食細胞の単離に際しコラゲナーゼ処理を用いることで収量が増加することを明らかにした。特にF4/80high腎単核貪食細胞の収量が大きく増加した。また、CD11b+Ly6C+腎単核貪食細胞の中にLy6Gが陽性となる好中球が約30%混入することを見いだし、Ly6Gをマーカーとして使用することで、好中球を除外する解析方法を確立した。続いて、樹状細胞特異的Shp1欠損(Shp1-CKO)マウスの若年齢(8週齢)に、BSA免疫による実験的腎炎を誘導した。BSAを反復投与したShp1 CKOマウスでは、非投与マウスあるいはBSA投与コントロールマウスに比べて、8週目に有意な蛋白尿の増加、血清Crの上昇、腎糸球体内の細胞増多を認め、腎炎を早期に発症することを見い出した。本BSA腎症モデルで確立したFCMプロトコールを利用して検討を行うと、BSA腎症を惹起したShp1-CKOマウスでは、腎内にはF4/80high腎単核樹状細胞が著明に増加することを明らかにした。以上の結果はBiochem Biophys Rep. 2020, 22:100741に報告した。現在、このFCMの腎臓内細胞解析プロトコールを用いて、Shp1-CKOの週齢を重ねて生じる自然発症腎炎モデルの解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎単核貪食細胞のFCM解析における、適切なプロトコールを確立することができた。またそれを研究成果として、英文誌に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回確立したFCM解析プロトコールを利用しながら、以下の課題の検討をさらに進めていく。1)CD11c+腎単核貪⾷細胞におけるShp1のシグナル伝達経路の解析、2)各種腎炎モデルにおける腎単核⾷細胞の亜群の機能的解析、3)腎単核貪⾷細胞の亜群から筋線維芽細胞への形質転換の検討。
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Research Products
(3 results)