2018 Fiscal Year Research-status Report
Non-renal and enzymatic regulation of neutrophils in inflammatory kidney diseases
Project/Area Number |
18K08232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西 裕志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90784174)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 好中球 / 腎臓 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,好中球の活性化における PI3Kβ (Kulkami, et al: Sci Signaling 2011),Btk (Volmering, et al: Immunity 2016), Abl (Nishi et al: J Clin Invest 2017) 等の関与が明らかになり炎症性疾患に対する分子標的薬の利用が進む中で,炎症性腎疾患における骨髄球の作用に着目し骨髄球活性化に関与するリン酸化酵素の発見を目指した.とくに RNA 結合ドメインとリン酸化酵素活性ドメインの両方を持つ一部のリン酸化酵素がマウス骨髄好中球やヒト培養好中球に発現すること,ウイルスに感染された単球・マクロファージなどの抗原提示細胞で活性化されるのみならず,白血球遊走化因子の刺激によって自己リン酸化されることを明らかにした.さらに,リン酸化酵素が好中球の血管内皮接着や血管外遊走に対して促進的に作用することを見出した. 一方,腎臓の炎症における好中球の挙動には血行動態,ホルモン,液性因子,神経活性など種々の刺激・制御系が影響を与えると考えられる.国内外の施設のご協力を得て共同研究を推進しながら,上記を媒介する分子のリガンド・受容体それぞれの欠損マウス及び野生型マウスに好中球が主体となる腎炎モデルを導入し,好中球の血管内接着,血管外浸潤や腎障害の評価項目となるアルブミン尿や病理組織像を観察している.また,上記制御系の影響は全身に及ぶことから,腎臓以外にも有意な炎症性変化をきたしうる組織・臓器に応じた評価項目を設定して表現型のアセスメントを行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内シグナルの影響については阻害作用をもつ低分子化合物および shRNA ウイルスベクターを用いた培養細胞実験や動物実験によって,とくに RNA 依存性リン酸化酵素の好中球における発現や細胞活性化における機能の解析を進めた.これらの実験成果の一部は学会・研究会発表を重ねて,関係研究者からのさらなる情報を収集して研究を展開している. 一方,腎臓外からのシグナルが好中球に与える影響についても,複数の腎炎モデルを導入しながら組織障害を評価しており,これにこれまでの培養細胞実験の結果を加えて投稿準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,当初の計画していた方向で研究を推進していく. 細胞内シグナルの影響については好中球における RNA 依存性リン酸化酵素の上流・下流のシグナル解析と,遊走を促進する際に介在する細胞骨格分子への影響を解析する.また,好中球を主体とする炎症モデルでの低分子化合物の薬理作用も評価する. 一方,腎臓外からのシグナルが好中球に与える影響については,複数の腎炎モデルを導入しながら組織障害を評価しており,これにこれまでの培養細胞実験の結果を加えて投稿準備を進めている.
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] FcγRIIA-driven glomerular neutrophil accumulation and proliferative glomerulonephritis are averted with inhibiton of neutrophil Bcr-Abl kinases.2018
Author(s)
Hiroshi Nishi, Kazuhiro Furuhashi, Xavier Cullere, Gurpanna Saggu, Mark Miller, Yunfeng Chen, Florencia Rosetti, Samantha Hamilton, Lihua Yang, Spencer Pittman, Jiexi Liao, Jan Herter, Jeffrey Berry, Cheng Zhu, George C. Tsokos, Tanya Mayadas
Organizer
日本腎臓学会学術総会
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