2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞膜輸送体に着目した新しい腎臓線維化治療法の開発
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18K08233
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
油井 直史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (00633976)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎臓線維化 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ATCCよりラット由来腎臓線維芽細胞(NRK-49F細胞)を購入し培養条件の検討を行い至適条件を設定した。培養液はDMEM, 4.5g Glucose, with L-Gln and sodium pyruvate, Nacalai 08458-45, FBS 5%にNEAA(非必須アミノ酸)を添加して使用し、TGFβ1はPeprotech Recombinant Human TGF-β1を0.1%BSA/PBSで5μg/mLに調整し使用した。 TGFβ1刺激(5ng/mL, O/N)によりNRK-49F細胞の形態に変化が生じ、α平滑筋アクチン(αSMA)発現が有意に増加することを確認した。同条件でTGFβ1刺激の有無に分け、細胞膜表面ビオチン標識による細胞膜貫通タンパクの回収を行った。TGFβⅠ型受容体(TGFR1)の細胞膜分画はTGFβ1刺激後に有意に減少しており、TGFR1はTGFβ1刺激によりendocytosisを受けることが分かった。TGFR1 endocytosisが腎線維芽細胞の分化誘導に重要なステップである可能性を示唆していると考えられた。 また同刺激条件で細胞質タンパクと核タンパクの分離回収を行った。TGFβ1刺激によりリン酸化Smad2/3が核特異的に発現することを確認した。αSMAは細胞質で発現亢進するだけでなく、核で強く発現していることが分かった。核においてもTGFβ1刺激で有意に増加していた。αSMA monomerは核孔を通じ、細胞質と核を比較的自由に行き来しているものと考えられる。αSMA自体がTGFβ1による線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化誘導、分子発現調節に重要な機能を持つ可能性を示唆していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
断片的ではあるが腎臓線維化における新しい分子機序を観察することが出来た。2017年度までに研究していた領域とはまったく違う領域に研究テーマを移した初年度であることを考慮すると、比較的順調なスタートが切れたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1) TGFβⅠ型受容体(TGFR1)のendocytosis機構を明らかにし、その調節法を探る。 2) αSMAの核輸送機序を研究し、その調節法を探る。 3) 核αSMAの相互作用分子を同定し、その機能解析を行う。
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Research Products
(4 results)