2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a zebrafish model for diabetic nephropathy and the identification of the therapeutic target genes
Project/Area Number |
18K08240
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
臧 黎清 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 助教 (10437105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 康人 三重大学, 医学系研究科, 講師 (40378427)
齊藤 成 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10456444)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 2型糖尿病 / ゼブラフィッシュ / モデル動物 / メカニズム解析 / 治療標的遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎症は末期腎不全の第1位の原因疾患であり、2型糖尿病患者の生命予後を左右する。糖尿病性腎症を克服するには、発症分子機構の解明と治療標的遺伝子の探索が不可欠である。これまで我々は、ゼブラフィッシュを用いた2型糖尿病性腎症モデルの開発を行った。このモデルの特徴としては、持続する高血糖状態、漏れ続けるタンパク尿、または腎臓糸球体の病変が確認され、世界で初めて糖尿病性腎症モデルゼブラフィッシュの構築が成功した。また、ヒトの腎臓障害は不可逆であるが、ゼブラフィッシュは腎臓再生能が持っており、糖尿病治療により腎機能が回復したことも確認できた。本年度は、①正常、②糖尿病性腎症、③腎機能が回復したゼブラフィッシュの3群の個体の腎臓を摘出し、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析を行った。バイオインフォマティクス解析の結果、糖尿病性腎症群と正常群の比較により、発症に関連する遺伝子群を抽出し(95個;|Fold change|>1.5, FDR<0.05)、腎機能回復群と糖尿病性腎症群の比較により、糖尿病性腎症の治療標的遺伝子群を抽出した(168個)。また、qPCRによりこれらの遺伝子のバリデーション実験を行った。次に、変動する遺伝子群を用いた分子メカニズム解析を行い、糖尿病性腎症の発症及び治療に関連するパスウェイを解明した。さらに、ヒト糖尿病性腎症のトランスクリプトームデータとの比較解析を行い、その発症メカニズムが生物種間を超えて共通していることを明らかにした。以上により、本研究は2型糖尿病性腎症ゼブラフィッシュモデルの構築が成功し、糖尿病性腎症の発症及び治癒関連遺伝子候補群を同定した。ヒト腎疾患新規治療法・ゲノム創薬のツールとしてのターゲットを提案し、将来の慢性腎疾患に対する治療薬の開発に向けての貢献が期待できる。現在、論文投稿準備中である。
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Research Products
(23 results)