2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the role of NFAT5 in chronic kidney injury.
Project/Area Number |
18K08247
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
泉 裕一郎 熊本大学, 病院, 特任准教授 (20736243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向山 政志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40270558)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NFAT5 / 腎尿細管 / 腎線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿細管細胞特異的NFAT5ノックアウトマウス(KO)の片側尿管結紮(UUO)モデルを作製し、尿細管細胞のNFAT5が間質の線維化に及ぼす影響をさらに詳細に検討した。 昨年度までの検討で、KO-UUO群は野生型(WT)-UUO群に比べて、腎間質の線維化が亢進し、尿細管障害マーカーであるKIM-1やNGALのmRNA発現の増加とともに、炎症・線維化マーカーであるTGF-βやMCP1のmRNA発現も増加することが分かっており、尿細管細胞のNFAT5は腎組織の炎症と線維化を抑制する作用を有することが示唆されている。 今回、マクロファージに関連する遺伝子発現を同様のモデルで検討したところ、KO-UUO群はWT-UO群に比し、腎組織内のF4/80のmRNAの発現が有意に増加していた。さらにF4/80の蛋白発現もKO-UUO群で増加する傾向をウェスタンブロット法と蛍光組織免疫染色によって認めた。これらの結果は、これまで検討してきたUUO施行7日後だけでなく、1日後、2日後にも同様に認められた。このことより、尿細管細胞のNFAT5は、UUOにより引き起こされる尿細管障害と間質へのマクロファージの遊走を介した炎症の波及を抑え、腎保護的な役割を有することが示唆される。in vivoで得られた結果をもとに、現在in vitroの実験を開始している。マウスの集合尿細管由来細胞株mIMCD細胞を入手し、NFAT5の発現をmRNA、蛋白レベルで確認した。また、高浸透圧刺激でmRNAは4時間後に発現増加のピークを示し、蛋白は4時間後から24時間後まで持続的に発現が増加することを確認した。今後、尿細管細胞のNFAT5の欠損が腎間質にどのように炎症を波及させるか、検討していく。
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