2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞内シグナル伝達分子の活性化が髄質内層集合管の水・尿素透過性に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
18K08248
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森本 哲司 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (10344657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根東 義明 日本大学, 医学部, 教授 (00221250)
安藤 史顕 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80804559)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎髄質内層集合尿細管 / 水透過性 / 尿素透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮質部集合尿細管にタンパク質キナーゼAアンカータンパク質(AKAP)とタンパク質キナーゼA(PKA)の結合阻害薬を添加すると水透過性が亢進するという予備実験結果に基づき、尿素輸送体とアクアポリン2(水チャネル2)の両方が豊富に発現している腎髄質内層集合尿細管にタンパク質キナーゼAアンカータンパク質(AKAP)とタンパク質キナーゼA(PKA)の結合阻害薬を添加した際に、尿素透過性や水透過性が亢進するか否かを微小単離尿細管灌流実験法を用いて検討を試みた。腎髄質部における細いヘンレの上行脚の単離には慣れていたため、腎髄質内層集合尿細管の単離も細いヘンレの上行脚と同程度であろうと予測していた。しかし、実際に研究を開始してみると細いヘンレの上行脚に比べて、腎髄質内層集合尿細管の単離は難しく、特に微小単離尿細管灌流実験法に用いることが可能な十分な長さの腎髄質内層集合尿細管を単離できない状況が続いている。そのため、今後も灌流実験に必要な十分な長さの腎髄質内層集合尿細管を単離できない状況が続く場合は、当初の研究実施計画にも記載したように腎髄質内層集合尿細管細胞の懸濁液を作成し、少なくともタンパク質キナーゼAアンカータンパク質(AKAP)とタンパク質キナーゼA(PKA)の結合阻害薬を加えた際に、腎髄質内層集合尿細管細胞内でcAMPの産生亢進が生じていないことや管腔側膜上の尿素輸送体やアクアポリン2の発現量の変化などを調べ、尿素透過性や水透過性の変化が生じるメカニズムの一端を証明したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したが、腎髄質内層の細いヘンレの上行脚と同程度と予想していた腎髄質内層集合尿細管の単離が非常に難しいため、微小単離尿細管灌流実験が行えておらず、進捗状況は遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の研究実施計画に沿って研究を継続するが、マウス腎臓から腎髄質内層集合尿細管の単離が困難であれば、腎髄質内層集合尿細管細胞の懸濁液を作成し、代替の方法で研究を推進する。また、動物種(例えばラットを用いる)を変更することで、腎髄質内層集合尿細管の単離状況が大きく変わる可能性もあるため、研究の進捗状況をみながら動物種の変更を判断したい。
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Causes of Carryover |
腎髄質内層集合尿細管の単離が困難だったため、初年度に予定して研究を遂行することができず、研究に必要な消耗品などの購入が当初の予想よりも少なかったため、次年度使用額が発生してしまった。研究の遅れを取り戻すために、次年度は研究を推し進める予定なので、分子生物学的実験試薬、生理学的実験試薬や実験用動物の購入費用に助成金を充てる計画である。
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