2018 Fiscal Year Research-status Report
Importance of glycolipid GM3 on cell membrane of podocytes
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18K08249
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内藤 正吉 北里大学, 医学部, 講師 (40365101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永根 大幹 麻布大学, 獣医学部, 助教 (10772064)
山下 匡 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30220338)
川島 永子 北里大学, 医学部, 助教 (90342774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポドサイト / FSGS / GM3 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポドサイトの細胞膜に発現する糖脂質GM3は、スリット膜を構成するネフリンと相互作用している。当該年度に実施した研究結果から、糖脂質GM3はネフリン抗体による細胞障害を正常化することを日本腎臓学会総会(2018年度)で報告した。 また、当該年度において、共同研究先でのGM3Sノックアウトマウスの提供に時間を要したことから、平成32年度より予定していたヒト腎生検検体を用いた解析を前倒しして開始した。その結果、微小変化型ネフローゼ症候群および巣状糸球体硬化症患者の腎生検検体では、蛋白尿量が多い患者では、GM3の発現が低下していることを確認した。このことは、ヒトの糸球体疾患においても、GM3が治療標的となりうることを示唆する所見といえる。 また、当該年度後半にはGM3Sノックアウトマウスの繁殖も順調に行われる見込みが出てきた。現在までのところ、GM3Sノックアウトマウスでは、事前検討と同様に蛋白尿増加・ポドサイト数減少・糸球体硬化病変・糸球体肥大といった、ヒトにおけるポドサイト障害の結果生じる疾患である巣状糸球体硬化症のうち、特に慢性経過で進行する病態を呈する患者層と同様の所見を認めている。さらに、GM3ノックアウトマウス腎糸球体における電子顕微鏡所見でも、ポドサイト障害時にみられる糸球体足細胞の癒合・退縮の所見が確認できた。しかし、これらの所見を証明するための統計評価を行うに十分な匹数が、まだ確保できていないことから、来年度も引き続き、野生株とGM3Sノックアウトマウスを用いて比較検討をおこなっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究先からのGM3Sノックアウトマウスの提供が予定よりも遅延しているため、当初予定よりも時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
GM3Sノックアウトマウスの解析は、まだ統計評価を行うに十分な匹数が確保できていないことから、来年度も引き続き、野生株とGM3Sノックアウトマウスを用いて比較検討をおこなっていく。また、ヒト腎生検検体の解析については、正常腎組織の収集も半分程度終了した。引き続き正常組織の収集および病態群の解析は概ね終了し、病態群の解析を進く予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度、GM3Sノックアウトマウスの提供が十分でなかったために行うことができなかった網羅解析等を行うために用いる予定である。
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