2019 Fiscal Year Research-status Report
Vascular health and vitamin D under uremic condition
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18K08253
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 講師 (90465203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 浩顕 昭和大学, 医学部, 准教授 (30296959)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管石灰化 / 内皮細胞 / ビタミンD |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、血管中膜石灰化と内膜との関係の検討に、高CaおよびP環境下のミネラルストレスにより血管内皮細胞の透過性が亢進すること、また同様のミネラルストレスによりラット大動脈リングに中膜石灰化が生じ、血管内皮細胞マーカーの遺伝子発現が低下していることから、腎不全に特徴的なミネラルストレスが血管中膜石灰化を引き起こし、その中膜石灰化には血管内皮細胞の透過性亢進が関与していることが示唆された。 これらの結果を踏まえ、今年度は活性型ビタミンD3であるカルシトリオールの血管内皮保護作用と中膜石灰化の関連について検討を進めた。まず、正常ラットの大動脈リングを用いて、正常培地もしくは従来と同様のミネラルストレス培地に、カルシトリオールを濃度10-6Mから10-8Mに振り分けて添加し3日間培養し、大動脈リングのCa含有量を測定した。ミネラルストレス培地でのリングCa含有量は正常培地下のリングよりも約7倍に増加した。カルシトリオールを添加した場合、濃度依存性にリングのCa含有量の増加が抑制され、低濃度では逆にCa含有量が増加する傾向がみられた。またミネラルストレス下にカルシトリオールを添加し血管内皮細胞の透過性も検討した。統計学的な有意差は検出されなかったが、カルシトリオール添加によって透過性の亢進が約30%程度抑制される傾向がみられた。 これらの結果から、ミネラルストレスによる血管中膜石灰化促進に対し、適度な量のカルシトリオールが血管内膜を保護し、透過性亢進を妨げることで中膜石灰化を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の実験結果を発展させることができており、計画の特段の変更は必要となっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はカルシトリオールの内膜透過性への影響についてカルシトリオールの濃度や暴露時間などによる層別的な検証と動物実験モデルでの検討を主な課題として実験を継続していく計画である。
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