2019 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of porphyrin synthesis in the skin
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18K08261
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中野 創 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (90281922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 弘前大学, 医学研究科, 教授 (60196334)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘム生合成 / ポルフィリン / 線維芽細胞 / 表皮角化細胞 / メラノサイト / 毛細血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまでヘム生合成経路の代謝異常症である遺伝性ポルフィリン症の遺伝子診断を行ってきた。ポルフィリン症は光線過敏を主体とする皮膚症状が主症状のひとつであるが、これまで皮膚を構成する細胞におけるヘム生合成経路の研究はほとんどなされていなかった。従って本研究ではヒトの皮膚を構成する表皮角化細胞、真皮線維芽細胞、メラノサイト、血管内皮細胞をターゲットとして、ヘム生合成経路に関わる8つの酵素(ヘム生合成関連酵素)の発現状態を明らかにすべく研究を着手した。皮膚の最外層にある表皮角化細胞を初代培養し、全RNAを抽出し、これを用いてヘム生合成関連酵素の遺伝子発現をRT-PCRで調べたところ、8つの酵素すべての発現が確認された。真皮線維芽細胞を用いて同様な検索を行ったところ、表皮角化細胞と同様の結果が得られた。次に、皮膚を構成する細胞におけるヘム生合成関連酵素のタンパク発現を調べるために、表皮角化細胞から細胞質のタンパク質を抽出し、ウエスタンブロット法を行ったところ、8つのヘム生合成関連酵素すべてのタンパク発現が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘム生合成関連酵素の発現に関して、表皮角化細胞ならびに真皮線維芽細胞を用いて遺伝子およびタンパクレベルでの発現を確認したが、概ね予定通りの研究進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘム生合成関連酵素のうちのいくつかはミトコンドリアに局在することが分かっているが、実際に酵素活性を発揮する場所が、細胞内の細胞質にあるのか、ミトコンドリアにあるのかは明らかになっていない。次年度はこうしたヘム生合成関連酵素の細胞内局在の問題について、実際にポルフィリン症の患者から得られた遺伝子変異の知見と比較しながら、ヘム生合成関連酵素の皮膚細胞における機能面の研究を推進する予定である。
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