2019 Fiscal Year Research-status Report
皮膚バリア形成におけるS100 fused-type蛋白質群の網羅的機能解析
Project/Area Number |
18K08265
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 輝彦 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (90359711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠道 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70260396)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | S100 fused-type蛋白質 / アトピー性皮膚炎 / 表皮角化細胞 / 皮膚バリア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.S100 fused-type蛋白質ノックアウト(KO)皮膚の組織学的解析:S100 fused-type蛋白質群(FLG、FLG2、HRNN、TCHH、TCHHL1、RPTN、CRNN)を抑制した3次元皮膚モデルを作製した。現在各皮膚の組織学的検討を行っている。また同時に各蛋白質を抑制し分化させた表皮角化細胞(NHK)におけるFLGの発現やFLGを抑制した状態で分化させたNHKにおける他のS100 fused-type蛋白質の発現をreal-time PCRにより定量化しこれらの変化の意義を検討している。
2.アトピー性皮膚炎(AD)モデル皮膚における各種S100 fused-type蛋白質の発現の検討::IL-4、IL-13を添加した培地で作成したADモデル皮膚を用いて、各種S100 fused-type蛋白質の発現が対照群と比較し変化がみられるかを、免疫組織染色およびreal-time PCR法で解析した。FLG、FLG2、HRNNは両方法で一致した動態(ADモデル皮膚でFLG↓、FLG2↓、HRNN↑)を示したが、CRNN、RPTNの動態が不定であり現在検証を継続している。
3.アトピー性皮膚炎患者皮膚におけるS100 fused-type蛋白質の発現量の定量的解析:アトピー性皮膚炎患者2名の皮膚病変部より得たRNAを用いてreal-time PCRを行い、正常対照と比較し明らかに発現が低下しているS100 fused-type蛋白質を検索した。さらにアトピー性皮膚炎患者4名から得た皮膚を用いてS100 fused-type蛋白質を認識する特異抗体を用いて免疫染色を行った。これらの結果と上記in vivo実験との整合性について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定に沿って研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.S100 fused-type蛋白質ノックアウト(KO)皮膚の解析:S100 fused-type蛋白質群を抑制した3次元皮膚モデルよりRNAを抽出し、各蛋白質の発現の変化ををreal-time PCRにより解析する。また各皮膚モデルにおけるTSLPなど表皮由来サイトカインの発現の変化についても検討する。
2.アトピー性皮膚炎(AD)モデル皮膚における各種S100 fused-type蛋白質の発現の検討:ADモデル皮膚を再度作成し、これまでに得られているデータの再現性を確認する。さらに本モデルにおいても表皮由来サイトカインの発現の変化を解析し、S100 fused-type蛋白質KO皮膚における結果と比較する。
3.アトピー性皮膚炎患者皮膚におけるS100 fused-type蛋白質の発現量の定量的解析:アトピー性皮膚炎患者の病変部皮膚におけるS100 fused-type蛋白質発現の組織学的検討とreal-time PCRによる発現量の定量化を継続して行い解析症例数を増やす。最終的にこれらの結果を用いて統計学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
購入した物品の想定額と納入額に差が生じたため少額の残金が生じた。次年度の物品購入に使用する。
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Research Products
(3 results)